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ちょっと待っててな、と翔先生が引っ込んでから静かな部屋に1人残された。


検査結果なんて今まで何回も聞いてきたけど、何回経験してもこの時間は慣れない。


何言われるんだろうって緊張して全然落ち着かないからはやく終わってほしい。




しばらくすると、なにやら書類を抱えた翔先生が戻ってきた。



「よいしょと、お待たせ。でー、検査の検査だけど」



ごくり、と自分の喉がなる音が聞こえた。






「…結論から言うと、悪かった」



…やっぱり、ね


まあそうだよね。





「この前よりも確実に心臓が弱ってる。このまま行くといつ大きな発作が起きるかわからない」



「…それって、いつ死んでもおかしくないってこと?」



「今すぐにってことはないと思うけど…現段階ではなんとも言えない」




「……そっか」




「もちろん、そうならないようにこれまで以上に治療はしてく。…だけど、そろそろ手術のことを真剣に考えてほしい」



「………」



「慧がどうしても嫌っていうなら強制はできない。でも俺は、慧に生きてほしいって思ってる」




部屋を出るとき、決断できたらできるだけ早く教えて、と翔先生に言われた。






手術……


わかってるよ、俺だって。



もうそれしか助かる方法はないって。


でも…





ガラガラッ



「え…」


「よお」




病室に戻ると、ベッド脇の椅子に座ってこっちに手を上げる薮がいた。


なんで薮が?

てか俺、今めちゃくちゃ暗い顔して…




「…も〜来るなら言ってよ!びっくりしたじゃん笑」


「悪い悪い。ちょっと報告があってさ」


「なに、なんかいい事でもあった?」


「まあな。でもその前に…」







「伊野尾の話をしよう」



「俺の…話?」




どういう意味だろう。

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作者名:わんころもち。 | 作成日時:2022年9月9日 20時

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