『』 ページ12
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右肩に質量と温もりを感じながら揺られる。
イヤホン攻防戦は私の折れで終着し
その数分後、今に至る。
急に大人しくなったかと思ったら、
角名くんは頭を私の肩に乗せて寝息をたて始めてしまった。
もう、ほんまに心臓に悪い・・・
角名くんのせいで頭がうまく回らない。
今日の更新間に合わんかったらこいつのせいや。
角名くんの体温と回らない頭のせいで、
私もだんだんと船をこぎ始めた。
___
「______きて、起きてA」
気づいたらいつも降りているバス停まで到着していた。
バスの中でこんなに寝てしまったのは初めてだ。
「そんなに俺とくっついて寝るのが気持ちよかった?
毎日一緒に寝てあげても、 ぃってぇ!」
はいはい照れ隠しね〜と煽ってくる声を無視して私はバスを降りた。
右肩の体温が冷めていくのを少し名残惜しいと思ったのは絶対に言わない。
「ね、手相見てあげる。昨日テレビで見たんだ」
『へー。そういうん信じとるとかなんか意外』
左手ね左、と指示された方の手を差し出すと急に引っ張られ
手のしわ一本すら見ずに自分の指を絡めてきた。
『ちょ、っと!手相見る気ないやろ!』
「ないに決まってんじゃん。
こうでもしないと手つながせてくんないでしょ?恥ずかしいとか言って」
『朝一の通学路なん恥ずかしいにきまっとるやん!
いーーやーーやぁーー!』
一向に手を放す気のない角名くんとぎゃあぎゃあと揉めていると、
「朝からなに襲いかかっとんねん角名。その子嫌がっとるやん」
双子の片割れ、宮治が救世主として現れた。
「俺を犯罪者みたいに言うのやめて治。別に嫌がってないよこいつ」
『いや、嫌がってないは大嘘』
こいつ、涼しい顔して嘘つきやがって。
角名ファンの女の子に見せてやりたいわ。
「あ、よー見たら小野さんやん」
『え、私のこと知っとるん?宮くんは有名人やけど』
「去年おんなじクラスやったやん。俺そこまで記憶力ないと思われとるん?」
『や、バレーと食べ物で頭いっぱいでクラスメイトとか興味なさそうなイメージやったから』
「まあ、間違ってはないわ」
あと宮くんやったらあのクソツムとおんなじで腹立つから治にして。
という発言と頬のバンドエイドが、双子は喧嘩中ということを物語っていた。
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ツナ缶。(プロフ) - 架奈さん» ありがとうございます!優しいコメントがすごく私の励みになります…!いい作品にできるよう頑張ります! (2021年2月14日 9時) (レス) id: e17d6a7cee (このIDを非表示/違反報告)
架奈(プロフ) - 受験勉強お疲れ様です。無理しない程度に頑張ってください!更新楽しみにしています! (2021年2月13日 9時) (レス) id: 3071dcd1d5 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ缶。(プロフ) - おかか。ですかさん» 更新遅れてすみません!いつもコメントしてくださって本当に嬉しいです!受験も更新も頑張ります!! (2020年11月14日 12時) (レス) id: e4f51373a6 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ缶。(プロフ) - りんさん» 楽しみにしてくださっている方がいて本当に嬉しいです!受験が終わるまでは亀更新ですが、気長にお待ち下さい(>_<) (2020年11月14日 12時) (レス) id: e4f51373a6 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか(プロフ) - おー!ずっと更新待ってました!!受験頑張ってください!!月曜日楽しみに待ってます! (2020年11月14日 9時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツナ缶。 | 作成日時:2020年8月15日 3時