ｓｔｏｒｙ１００！！ 消えたネックレス ページ15
上杉より薄いグレーに少し緑がかかった髪。
背は黒木程あるだろう、高い身長。
美門の様に整った容姿。
そんな彼は淋しそうに紺色の空を仰ぎ見ていた。
「どうしたんですか？」
食いいるようにずっと彩が見ている先を黒木は目で追った。
見れば、男が一人、立っている。
「あいつには近づかない方がいいですよ」
黒木にはその人物の正体が分かっていた。その男は
「あいつは砂原翔。ここより治安の悪く小さな国の王子ですから。
あいつ、何度も他の国の奴を殴って、捕まっているんですよ」
悪い噂しか聞かない、砂原翔だったからだ。
彩は心配そうに聞いた。
「けれど、彼、そんな風に見えませんよ」
黒木は困った様に、溜息をついた。
「とにかく、ダメです。悪い事は言いません。近づかないで下さい」
黒木は口調を強めた。けれど彩は砂原を見ていた。
砂原の近くに一羽の小鳥が近付いた。
砂原は優しく笑い、小鳥に自分の手を近付けた。
すると、小鳥は何の警戒心を見せずに砂原の手に乗った。
「キャー！！！」
女性の悲鳴が部屋に響いた。
「どうしたんですか？陽子夫人」
兵士が慌てて近付くと、陽子夫人と呼ばれた女性は息を荒くして、縋るように兵士に言った。
「私の金のネックレスが何処にも無いのよ！！
バックに入れていたのに！！」
女性はキッと目を鋭くさせ、庭にいる砂原を指差した。
「きっとあの青年ですわ。何であの青年が此処に呼ばれたか分からないけれど、早く逮捕して頂戴！！」
夫人の言葉を聞き、兵士達は急いで砂原の腕を掴み、この部屋に引っ張り込んだ。
「何だよ、しらねぇよ！！離せ！」
砂原も抵抗するが、沢山の兵士に押さえこまれると逃げられなかった。
「姫、帰りましょう」
呆然とする彩の手を引き、帰ろうとする黒木だったが、彩が黒木の手を振りほどき、砂原の元へと走った。
「その人は犯人ではないと思います」
誰もが驚いて、彩を見た。彩は堂々としている。
「その人は、ずっと庭にいましたから」
「姫っ！！」
堂々としている彩の元へと夫人が寄った。
「違うっていうけれど、貴方が私のネックレス、見つけてくれるの？」
皺のある目を鋭くして、夫人は聞いた。
「私が見つければいいんですよね？見つけます。そしたら彼を解放してあげて下さい」
ｓｔｏｒｙ１０１ 意外な犯人→←ｓｔｏｒｙ９９ 哀しみが映った瞳
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彗(プロフ) - すみません、24ページなんですが、冬の大三角は牡牛座のアルデバランではなくてこいぬ座のプロキオンです (2020年1月14日 18時) (
レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
ほのか@若彩推し(プロフ) - めっっっちゃ感動しました！！！( ；∀；) 昔と今を繋げてくるなんて、天才ですね！！！これは私のワガママなんですけど、雪華さんが書く若武オチのストーリーが読んでみたいですっっ( 〃▽〃)もし時間などに余裕があったらでいいので…よろしくお願いします♪ (2017年10月28日 21時) (レス) id: 5db0e7dc69 (このIDを非表示/違反報告)
クロハ♪ - 現世でも翼と付き合うのかな?6人皆前世の記憶あったらどうなってたんだろうね。あと砂原もね。 (2017年10月24日 20時) (レス) id: bcc857c4db (このIDを非表示/違反報告)
キング - 全て今に繋がっているんですね。すごいです。奈子もかわいい！トリセツも面白かったです。 (2017年7月12日 18時) (レス) id: 19f17922fe (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - 絢香さん» 補足です＊はい、Ｇメンバーです。平和になった世界を描きたかったので、兵士よりも家庭教師の方が良いかと。あの四人がどうなったかは、ご想像にお任せします(=^ェ^=) (2016年1月9日 15時) (レス) id: f9c7da9058 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪華 | 作成日時：2015年8月28日 16時
