【ヒロアカ】死穢八斎會の雇われ用心棒！！ (ページ9)

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7話・本音を言わせる者の夢ページ9

音本は覚悟をもって
個性を発動させる。もしかしたら
嘘かもしれない。
しかし、Aに凄いと言われて
嬉しかったのも真実だ。

あの笑顔は本物だと信じよう、音本はそう自分に言い聞かせた。

Aはゆっくりと口を開いた。

『本当だよ！！私は音本さんの個性、カッコ良くて"好き"なのに！！！やっぱりまだ、信じて貰えてないのかなぁ。こんなに凄い個性なんだから音本さんはもっと自信を持っていいと思う！！というか、持った方がいい！！』

一息でAはそう言った。

音本は口をポカンと開け、目を見開く。

驚いた。私の個性が"好き"そんなことを言われたのは初めてだ。自分の本音がばれてしまうのに。だから、私はいつも一人だったのに。
音本は自分の心が温かくなっていくのを
感じた。

気味悪がられて、いろいろな人に避けられて。
人々の本音を知り、こんなにも人間は残酷なんだと思っていた過去。

そんな今までを覆すようなAの本音。

音本はいつのまにか "泣いていた"

無意識のうちに音本の頬を伝う涙。
それをAはエリのときと同じように今度も
自身の苺柄のハンカチでそっとぬぐった。

そこでようやく泣いていたことに気づいた音本は慌てたように弁解しようとするが、

『無理しなくていいんだよ。今は誰も見てない。好きなだけ泣いてもいいんだよ。』

さっきからは考えられないような優しい声でAはそう言った。

するとだんだん音本の顔は崩れていき、おもいっきり泣きじゃくり始めた。

音本よりも小柄なAだが、小さいなりに彼を受けとめ、自分の胸のなかで泣いている音本の背中をやさしくさすった。

Aには音本があのときのエリよりも幼く見えた。

そして、泣きつかれたのか眠ってしまった音本を布団に運び、疲れたAも一緒に寝る。

次の日、二人が抱きしめあって寝てる様子が見られたという。

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「仲がいいのは良いことですが、そろそろ起きてくだせぇ。」

そんなクロノの声に先に目を覚ましたのは、やはり音本だ。そして、腕の中にある柔らかいものを確認した。そこでAと抱きしめあって寝ていたことや、昨日泣いてしまったことを思いだし、顔を赤く染める。

それがいけなかったのだろう。

「音本…。昨日会ったばかりの少女に手を出すのは良くないと思いやすよ。」

完全に勘違いをしている。

誤解が解けたのはそれからしばらくしてからだった。