昔の君 ページ36
SUGA side
「ユンギヒョン久しぶり」
yg「ん、久しぶり」
ふわりと笑って作業室のドアからひょこっと顔を覗かせるA。髪が少し濡れていて、首にタオルを掛けているからきっと練習が終わってシャワーを浴びたところだ。
yg「風邪ひくぞ」
「いた、強い強い、」
雑にワシワシとタオルで頭を拭いてやる。なんだか最近会えていなかったから新鮮だ。こいつがデビューしてから…どれくらい経った?よく分からないが2ヶ月は会っていない。まぁ、さっきの笑顔を見ればなんとかやってるんだろう。
yg「順調か?」
「うん、ふふ」
yg「キモ」
「……ユンギヒョン嫌い」
yg「嘘だって」
こんなことを言っているけど、Aが少しでも笑えていて安心した。なんだか、昔に戻ったみたいで。
俺はAを傍でよく見てきたから分かる。こいつが中学の時はもっとよく笑って穏やかな子だった。
「ユンギヒョン、学校行った?!」
「ヒョン薬飲んで」
「……また切ったの?消毒してあげる」
今思えば何もかも分からなくて人生終わりかけの俺の唯一の救いは、きっとこいつだったんだ。キラキラの笑顔を向けてくれていたAはもう居ないけど、また戻れるように今度は俺が。
yg「無理すんなよ」
「ん、ありがと」
yg「……いつでも来い」
「…?なに急に、ブラコン?」
yg「………はやく帰れ」
「嘘だよ、ありがとまたね」
ちゃんと笑えるようになるまで支えるから。
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おしお(プロフ) - デビューした後の話もみたいので続けてほしいです! (2023年4月16日 8時) (レス) @page33 id: c50932ce86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うゆ | 作成日時:2023年2月26日 18時