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こネタ ページ28

「あぁ……まさに絹……! 若く汚れの知らない無垢さ、一目で気に入ったよ。」

 ソファに優しく倒され、視界には光悦したおじさんと、間接照明に照らされた黒い天井。苦い猪口齢糖の様な色の天井に、大好きな太宰さんが連想される。
 森さん、天井に数えられるシミなんてないよ。

 男の手が頬を通って、耳に髪をかけた。ゾワゾワっと首から下が粟立ち、身を固くし、両手は胸の前でキュッと握った。

「……、Aちゃん、この耳のはなんだろうね?」
『(バレた! どうしよう!!)』

 と、慌てたのも一瞬。次の瞬間、夢の様な音が鼓膜を揺らした。

「もう佳い。」

『(太宰さん……!! 太宰さんの声だっ!!)』

 耳の通信機から太宰さんの声がした!
 全身に力が湧いて、私は瞬く間におじさんの下から抜け出した。もちろんおじさんは止めようとしていたけれど、森さんに教えられた簡単な身体の仕組みを使って、それをものともせずに部屋からも脱出した。後から知ったのだけど、媚 薬というのは息が切れる程の運動をすればとりあえず抜けていくらしい。

 云われていた出口に駆け込むと、其処には森さんとエリスちゃん、それと太宰さんが居た。

「お疲れ様、Aちゃん。その様子だと、まだ何もされていなかったようだね。」
『太宰さん……』
「あれ無視? 太宰君にも情報の抜き取り作業を手伝ってもらったのだよ。」
「僕機械は苦手なのに。」
「端末を掠める所までは完璧だったのだけどね。あれくらいは出来てもらわないと困るよ。」

 太宰さんは何時もと少し違う、夜に溶け込む黒い紳士服を着ていて、その姿に心臓がどくどくと音をたてた。太宰さんかっこいい。大好き。かっこいい。





『という感じです!』

 Aはにぱっと笑い、手を顔の横で広げた。

「(鏡花ちゃんと云いAさんと云い、ポートマフィアってそんなに……色仕掛け……とか、やるんだな。)」
「後にも先にも、あの一件だけだったね、君が役に立ったのは。」
『えへ……発育が悪くて……あんまりそう云った趣味の重役は居ないらしく。それに、あの時は森さんが首領になったばかりだったからで、あの一件以降はそもそも必要性が低かったようで。』
「君に話がいかなかっただけだよ。」

 そう云って太宰は珈琲の最後の一口を飲み干した。Aは、包帯がまかれたその喉元をうっとりと眺めた。

『(かっこいい)』

 太宰は最後、身震いした。珈琲が冷めていただけが理由ではないだろう。

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サヤカ(プロフ) - 柚宇さん» 好き……なんですかねーそうだといいな〜〜!ありがとうございます❣頑張ります!! (7月29日 19時) (レス) id: 2320ebad55 (このIDを非表示/違反報告)
柚宇 - 太宰さん、信者ちゃんのこと好きなのかなー?んーわからない!けど大好きです!この作品とっても面白いのでこれからも頑張ってください!! (7月22日 16時) (レス) @page28 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ(プロフ) - 百華夜さん» 太宰さん!!来ました!!!やっっと…!!ありがとうございます🙏 (6月16日 22時) (レス) id: 6e87b82d01 (このIDを非表示/違反報告)
百華夜(プロフ) - 太宰さん!早く信者ちゃん助けに来いやぁぁ!!此のお話凄く好きです! (2023年4月27日 17時) (レス) @page10 id: 4a0468ad2f (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ(プロフ) - 太信愛を感じるっっ!だざいさーーーーーーーーん!!!!www(ありがとうございます!) (2023年3月4日 8時) (レス) id: 560ee3c2e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サヤカ | 作成日時:2023年2月1日 0時

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