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91.おかえり ページ19

『っん、はぁ〜〜……ん……?』

 ここは? 探偵社の、医務室だ。
 起き上がってみると、がっちり閉められた間仕切り(カーテン)で視界が埋まった。靴がある事を確認して、それに足を入れて靴ひもを結ぶ。懐かしさに頬が緩んだ。間仕切りを全開にして、新鮮でちょっと涼しい空気が肌を過ぎていく。与謝野女医は医務室には居ない様だった。

『まあ、居たら気配するよね。』

 感覚に鈍りを感じる。
 部屋を出て、ほの暗い廊下に立つ。右の社長室、目の前の事務室、左奥の会議室、そして一番左奥の扉は調査員がいるフロア。どこに行こうかほんの一瞬迷ったけれど、少し大股で一番奥の扉へ向かった。光が欄間からこちらにもれていて、それだけで胸が高鳴った。

『……』

 ごくり、下唇を噛んで緊張と唾を飲み込んだ。唇を少し舐めて、それからそっと握り玉に手を添えて、グッと力をいれて開いた。

『ぁ……』

 お菓子を頬張る乱歩さん、観葉植物の世話をする賢治君、仕事する他の社員、机に突っ伏す太宰さん。いつもの武装探偵社。みんながいつも通り。私も、いつも通り自分の席に着く。

「報告書の提出が最優先事項だ。わかっているな?」

『はい!』

 右から国木田さんの指示が飛んできた。返事をして、太宰さんの愛おしい頭部を眺めてやる気を最大に引き上げる。自分でも認識できるほど上がった口角と眉尻を落ち着かせる。
 薄型端末(ラップトップ)と向き合って、それを開く。

"おかえり"、"おかえりなさい"、"おかえりなさい!"、"おかえり。"

 画面が見えない。みんなの字で付箋に書かれた「おかえり」が、たくさん其処にあった。中には、きっと無理矢理書かされたであろう太宰さんの筆跡もあった。
 喉から嗚咽のような、声のような何かが出てきそう。

『ただいま。』

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サヤカ(プロフ) - 柚宇さん» 好き……なんですかねーそうだといいな〜〜!ありがとうございます❣頑張ります!! (7月29日 19時) (レス) id: 2320ebad55 (このIDを非表示/違反報告)
柚宇 - 太宰さん、信者ちゃんのこと好きなのかなー?んーわからない!けど大好きです!この作品とっても面白いのでこれからも頑張ってください!! (7月22日 16時) (レス) @page28 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ(プロフ) - 百華夜さん» 太宰さん!!来ました!!!やっっと…!!ありがとうございます🙏 (6月16日 22時) (レス) id: 6e87b82d01 (このIDを非表示/違反報告)
百華夜(プロフ) - 太宰さん!早く信者ちゃん助けに来いやぁぁ!!此のお話凄く好きです! (2023年4月27日 17時) (レス) @page10 id: 4a0468ad2f (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ(プロフ) - 太信愛を感じるっっ!だざいさーーーーーーーーん!!!!www(ありがとうございます!) (2023年3月4日 8時) (レス) id: 560ee3c2e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サヤカ | 作成日時:2023年2月1日 0時

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