18 ページ18
会
目が覚めるとそこは見慣れない空間
ﾎﾟｺﾎﾟｺと音を立てながら沸騰する湯
薬の匂い
暖かい空気
フカフカベッド
『ｯ…！？』
sinpe「あ、起きた？」
『こ、こ…何処…？』
sinpe「我々国の軍本拠地…の医務室」
『我々国……』
怖い人達が何度も口にしていた国
いつか滅ぼすと言っていた国
そしてこの国を滅ぼす為に日々戦場に出されて鍛えられてきた私
もしそんなことがバレたら殺されるんじゃ…
身体がキュッと強ばった。
sinpe「大丈夫やで、殺そうなんて考えてへんから」
『！』
sinpe「君のことはココで保護する。…男ばっかでむさ苦しいとこやけど住み心地はええんやで？」
ｸｽﾘと微笑む男の人にまたあったかさを感じた
…お兄さんとお姉さんもココにいたら、もっとあったかくて幸せだったのになぁ…
3人揃うことは死なない限り無になった世界で絵空事を並べた
ごめんなさい
私だけ幸せになってごめんなさい
正しさを教わらずに過ごしてきたから、社会で生きていくための知識も無い。
何が良くて何が悪いのか、わからない
大人の身体になっても、知能が未だに幼い私が生き残ってごめんなさい
…けど2人が私に生きてくれ、と願ったのなら私は頑張って生きます
心の底から「幸せだ」って言える日が来るように生きます
人の温かみに触れた時、少女は涙した
幸せになることを赦された
"表側"の世界で生きることを赦された
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『…私ね、コッチで生きていていいのか分からない時があるの。大切な人を向こうに残してきたし、私自身が穢れてるから…』
悲しそうにﾎﾟﾂﾘと呟いたAに何か声をかけたかった、けど俺の言葉じゃ届かない気がした
俺じゃ駄目、なんか…？
力不足なんか…？
『…ごめんね、こんな話して。私先にあがるね』
ｻﾞﾊﾟｰｯと浴槽から流れていく湯
背中を小さく丸めて出ていくA
何も出来ない自分
tntn「なんで、何もしてやれへんねん…」
手はAの温もりと感触を覚えてる。だが当の彼女は去ってしまい、虚しさと悔しさだけが残る
tntn「アホか、俺は…」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 694人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きゃらめる@tn.zm.em推し - これがツンデレですね (2018年10月20日 2時) (
レス) id: 43bc4b2371 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめまくら(プロフ) - fukaさん» コメントありがとうございます！次作も読んでいただけると幸いです…(uωu) (2018年3月5日 1時) (レス) id: 41a15ab2f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめまくら(プロフ) - 千早さん» コメントありがとうございます！色んな作品を読んで下さったとは…！これからも頑張ります(^○^) (2018年3月5日 1時) (レス) id: 41a15ab2f9 (このIDを非表示/違反報告)
fuka(プロフ) - 完結おめでとうございます!私も見ててとても楽しかったです。次作も楽しみです!これからも、頑張ってください!!! (2018年3月4日 22時) (レス) id: 70d24782eb (このIDを非表示/違反報告)
千早 - ほとんどのゆめまくらさんの小説を読ませていただいてるんですが、どれも素晴らしくて読み入ってしまいます、(笑)お忙しいかもしれないですが体調に気をつけてこれからも更新頑張ってください！ (2018年3月2日 16時) (レス) id: cbe6e35f7b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
