降谷零 中編小説＊3

【ボディーガード】＊3 ページ48

下校中、同世代ぐらいの女性と歩いている(人1)さんを見つけた


それだけなら良かった


その後ろに黒の帽子を目深に被った男が二人を付けるようにして歩いていた

(人1)さんは時々後ろをチラッと見ているので気づいているのだろう


もしかしたら組織絡みだったりするかもしれない

少しでも彼女の情報が欲しい


「あー！お母さん！」


(人1)さんの前に先回りをして子供らしさ全開で抱きついた

一瞬ビックリした(人1)さんだったが俺の意図に気付き抱きしめ返してくれた


『今日はお友達と遊ぶ予定だったんじゃないの？』

「それが友達が風邪で学校休んじゃって」

「この子もしかして(人1)の子？可愛いじゃん！お父さんもイケメンなんだろうなー！」


(人1)さんの友達も加わって結構大きめな声で話ながら近くのビルに入ると受付の人に二人は名札を見せ、俺は名前を名簿に書いてパスを貰い、二人の職場であるオフィスへ向かった


『コナンくんありがとう』

「ううん！なんか見てて怪しいなって思ったし…当然の事しただけだよ！」

「めっちゃいい子だねこの子！」


(人1)さんの友達…菜々さんは自販機で缶ジュースを買ってきてくれた

オフィスに着き辺りを見回すと、色々な置物があったりカラフルな絵が飾ってあったりと華やかなオフィスを想像していたけれど至って普通のディスクが並ぶだけで拍子抜けした



本当にデザイナーなのか？



「さっきの人って本当にストーカーなの？」

「尾行するのに慣れてる感じがあったから結構常習犯かも。(人1)さんは前にもあったんだよね？その時の人だったりする？」

『んー帽子被っててよく分からなかったけど前の人はもうちょっと肌が白くて左の口元にホクロがあったから違う人だと思う……雰囲気は似てるけど』

「まぁ、ストーカーって似たようなものよね」


(人1)さんは美人だけど、ストーカーに遭うような服装も気弱そうな印象もないのに何故狙われるんだ？

実は安室さんみたいに警察で組織にノットとして潜入している……だとしたら、安室さんの正体も知った上で付き合ってるとか？


「金髪のイケメン探偵の安室さんに相談してみたら？」

「え、菜々さんって安室さんの事知ってるの？」

「そりゃーね！ストーカー事件の後も何度もここに来て(人1)にプロポーズして振られてもめげずに送り迎えしてるからね！」

「え"」

『子供に変な事教えないでよ』



…一歩間違えればストーカーだ


本当何してんだよ

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