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【FBIと小さな探偵に保護された私】*1※タイトル変更※ ページ37

土砂降りの雨の中



頼りない足取りで前に進む





「……ザー、ザー…い……返事を……ザー」





右耳に付けたインカムからノイズと



誰かの焦った声が聞こえてくる





『格好…悪いなぁ』





足元を染める赤い波紋は広がり続けていく



後ろを振り向けば
私の居場所を教えるように赤い道が出来ていた


雨だけでは流しきれない量の血液
自分の未熟さを思い知る





『こんなはずじゃ無かったのに…』





腹部を抑えていた手を退けて
赤く染まった手で胸ポケットのスマホを取り出す

パスコードを入れ起動させると
画面には真っ黒なアイコンが一つだけある





それをタッチして深呼吸した





通話ボタンを押し
慣れた手つきであの人の番号を打つ





ッーッーガチャ





「(人1)!!今どこにいる!?」





『すいません…約束、守れそうに無いです』





少し高めのあの人の声を聞いた途端
体の力が抜けていく


その場に倒れるように座り込んだ
冷たさを感じない体は限界に近いらしい



頭の中は冷静で
今、自分がすべき事を分かっている





『奪った情報は…私のパソコンに転送してます。あとはお願いします』





怒鳴り声が聞こえるけれど
朦朧とする意識ではあの人の言葉は聞き取れない





『ふるやさん、好きでした』





あの人の名前を言い終える前に通話が切れ
スマホは操作できなくなった





画面には5、4、とカウントダウンが表示され





タイムリミットになる前に
遠くにスマホとインカムを投げる





0になると小さな爆発を起こして灰になった









『…未練しかないや』









雨は強くなる

私の声は雨音でかき消される









『愛してます』









遠のいていく意識





頭の中にはあの人の優しく笑う顔だけが





鮮明に浮かんだ

【FBIと小さな探偵に保護された私】*2→←【ロイヤルストレートフラッシュ】*下



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - りんさん» りんさんいつもありがとうございます(*´ヮ`*) (2017年9月20日 17時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 結愛シリーズ も話が面白いです続き楽しみにしてます (2017年9月19日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - りんさん» ありがとうございます笑更新遅くなりますけど続きも楽しみにしていてくれると嬉しいです( *´艸`) (2017年8月25日 10時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - Σ(゚Д゚ノ)ノ最高!!妄想が進む!! (2017年8月24日 12時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - りんさん» 小学生の降谷さん……いいですね。絶対かわいいです。作ってみます! (2017年8月23日 22時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年8月21日 0時

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