【FBIの妹】*3 ページ31
「少し外す。ここを動くな」
『おっけー、行ってらっしゃい』
早朝に警察庁で会議が開かれるので秀兄さんと一緒に登庁したが、時間になっても始まらない会議に痺れを切らした秀兄さんは煙草を吸いに喫煙ルームへ行ってしまった
昨日真純と降谷さんの話を聞かれてから一時も私から離れない秀兄さんが離れてくれてほっと息をする
そして私も限界が近いかもしれない
イライラが抑えられなくなってきた
上は何をやっているのだろう
『肩こった…』
会議室を出て軽くストレッチすると肩が鳴る
左を向けば少し先に自販機があったので水でも買おうとそちらへ向かえばバタバタと誰かが走ってくる
「あ、」
『え?』
足音が止まり声がした方を向けば私を見て目を丸くしている風見さんがいた
『どうかしました?』と言い終わる前に腕を引っ張られ「緊急事態だ。一緒に来てくれ」と引きずられて車に乗せられて向かった先は警察病院
案内された病室には面会謝絶と書いてあり、他の病棟と隔離されていた
この中にいる人は私の知っている人で一人しかいない
「降谷さん失礼します」
『え、やっぱり?』
スタスタと病室に入っていく風見さんの後をついていくと上半身裸で腹部の包帯を取ろうとしている降谷さんがいた
『わー!何してんですか!?』
「え?」
慌てて脱ぎ捨ててあった病衣をきょとんと目を丸くしてこっちを見ている降谷さんに投げつけた
「会議に出る」と聞かない降谷さんを無視してすぐに医者を呼んで包帯を新しいものに替えてもらって点滴もしなくてはいけないらしい
抵抗する降谷さんを睨みつけて『安静に』と言えば渋々大人しくされるがままになった
『まだ傷口塞ぎきってないじゃないですか!?』
「そのうち塞がるさ」
痛いはずなのに嬉しそうにニコニコ笑っている降谷さんに顔を顰めると頬に冷たい手が当たった
「眉間にシワ寄せると綺麗な顔が台無しになるぞ」
『きれ!?』
「俺に会いに来てくれたんじゃないのか?」
『そ、それは、お見舞いは来ようと思ったけど…』
いきなり口説かれて彼のペースに飲み込まれてしまった。言い訳を並べていたら両手を握られて恋人繋ぎをされる
声を出そうとしても出てこない。ぱくぱく口を動かしていたら、今度は腰に手を回されて彼の膝の上に乗せられた
「あの男は忘れて俺の女になれ」
耳元で囁かれた甘い言葉に逆上せてしまいそう
「俺の全て捧げて幸せにしてやる」
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憂(プロフ) - りんさん» りんさんいつもありがとうございます(*´ヮ`*) (2017年9月20日 17時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 結愛シリーズ も話が面白いです続き楽しみにしてます (2017年9月19日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - りんさん» ありがとうございます笑更新遅くなりますけど続きも楽しみにしていてくれると嬉しいです( *´艸`) (2017年8月25日 10時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - Σ(゚Д゚ノ)ノ最高!!妄想が進む!! (2017年8月24日 12時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - りんさん» 小学生の降谷さん……いいですね。絶対かわいいです。作ってみます! (2017年8月23日 22時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂 | 作成日時:2017年8月21日 0時