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【小さくなった私の上司】*8完結 ページ11

白い天井
蛍光灯が眩しくて目を閉じた

暗闇の中にだんだんと色がついていく
微かに周りの音が聞こえてきて意識がハッキリしてくる

誰かの切羽詰まった声が聞こえて
返事をしようと思うけど声が出ない


「ーっ!ーー!!」


前も同じ事があったな



あの時は
最初に見たのは知らない女の人の泣き顔で
私の顔を見て誰かの名前を呼んでいた

女の人の後ろには学生服を着た
金髪の瞳が青い男の人がいた





知らない人達に囲まれて


知らない名前が飛び交う





私は





だれ?





金髪から覗く青い瞳と目が合った



大きく見開かれた目を伏せて
唇を噛み締めた男の人は



『……ふるやさん?』

「…桜井?覚えてるのか?」

『あー、体戻ってますね、、残念です』



私がそう言うと苦しそうな顔が柔らかくなっていく

降谷さんはベッドの側にあった椅子に腰掛けると両手で顔を覆うって長く息を吐いてゆっくりと吸った



「また失くしたのかと思ったよ」

『あ、"だれ"って声に出てました?』



返事の代わりに頷く降谷さんもあの時の事を思い出したのかな



『大丈夫ですよ。もう失くしたりしませんから』



私は一度記憶を失くした



中学1年のときに誘拐されて
それまでの記憶が全く思い出せない

誘拐されたっていう事も
両親の事も友達の事も何も覚えてない



私を助けてくれた降谷さんの事も…



「桜井の大丈夫は信用出来ない」

『えー、ひどいですよ』



泣きそうな顔の降谷さんにそう答えると眉間にシワが寄った



『そういえば、楽しかったですか?小学校!』

「まぁまぁだな」

『いいですねぇー、私も行きたいです』



重い空気を壊すように降谷さんを茶化していると病室のドアが開いてコナンくんと哀ちゃんが入っていた


『コナンくん!哀ちゃん!』


私の声を聞いて二人の強張った顔が緩んで、コナンは安堵して、哀ちゃんは泣き出しそうな顔でベッドまで来て私を強く抱きしめた


『あー、私今すごく幸せですねー』



あれから一ヶ月ほど「安静にしろ」と降谷さんやコナンくん達に言われて入院することに…



『その間は子供達に囲まれて楽しい時間を過ごしました!』



風見さんに幸せな一ヶ月の話をしていると呆れた顔をされた


「お前それ…」

『朝ポアロに呼ばれて渡されました』


色とりどりの野菜と一口サイズのハンバーガーなど可愛らしいお弁当


『これから暇な時作ってくれるそうですよ』

「…毎日作ってくれるんじゃないか?」

【スモーク】*上※シナリオアートさんのチェーンスモークより※→←【小さくなった私の上司】*7



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - りんさん» りんさんいつもありがとうございます(*´ヮ`*) (2017年9月20日 17時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 結愛シリーズ も話が面白いです続き楽しみにしてます (2017年9月19日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - りんさん» ありがとうございます笑更新遅くなりますけど続きも楽しみにしていてくれると嬉しいです( *´艸`) (2017年8月25日 10時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - Σ(゚Д゚ノ)ノ最高!!妄想が進む!! (2017年8月24日 12時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - りんさん» 小学生の降谷さん……いいですね。絶対かわいいです。作ってみます! (2017年8月23日 22時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年8月21日 0時

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