↑続編【雷の力】＊下 ページ40
ラビは一輪だけ咲いていた黄色い花を摘む
ここは前までこの花が沢山咲いていたのだろう
色は黒く染まっているが形は残っている花畑
甘く酸っぱい薫りが辺りを漂う
本部に帰還すると
沢山の人達が「おかえり」言ってくれた
新しいこと
室長や科学班が私のために作ってくれた
コートと手袋と革靴
電気が通らない素材で出来ていて
皆と触れ合うことが出来るようになった
知らなかったこと
寄生型のエクソシストには
私の力は効かないと分かったとき
「ほら！僕達大丈夫でしょ？」
「怖がらなくていいである…私達は仲間である」
嬉しくて二人の手をぎゅっと握って泣いた
これから知っていくこと
女同士で笑いあって
なんでもない会話も
「(人1)はチョコレートケーキが好きなのね！私もよ！」
「(人1)ちゃんが好きな花の名前は……あ、これかしら？」
毎日が楽しくて
毎日が幸せで
何の為に生きてるのか
見失っていた日々に
貴方が光をくれた
もう
迷わない
この幸せを
仲間達を
守り抜きたいと
心から思う
だから進む
この先にある世界へ
辿り着くべき場所へ
イノセンスも
AKUMAも
エクソシストも
千年伯爵も
戦争も
悲劇も
ない
幸せに
生きていける
そんな場所へ
「行くぞ」
『うん！』
貴方の手をとって走り出す
窓際の花瓶に一輪の花が咲き誇る
小さな黄色い花は
甘く酸っぱい薫りを部屋に散らしていく
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《フリージア》の主人公と神田の出会いです
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作者名：憂 | 作成日時：2016年10月30日 21時
