神田ユウ中編小説 (ページ30)

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【過ち】＊下ページ30

あの日サードを連れて来たレニーとの会話を思い出す。
自分自身とした誓いも。

「(人1)…あなたもそう思ったからエクソシストになったのでしょう？」
「レニー！止めろ！」
「無理矢理体にイノセンスを宿して神の使徒になった！」
『レニーさん……』
「私達の気持ちなんて考えないで！貴方を失ったら……」

「止めるんだ！…(人1)ちゃん聞かなくていい。今日はもう休んでいいよ」

怒りに任せて言葉を吐くレニーと、それを止めようと必死なバクにコムイが一喝する。

(人1)は3人を真っ直ぐにみると口を開く。

(人1)はあの悲劇の日に一つのイノセンスに触れた。

イノセンスは(人1)に適合したが、何度テストしてもシンクロ率が低すぎて使い物にならなかった。
痺れを切らした中央庁は"体内にイノセンスを入れろ"と命令をしたが、チャン家とエプスタイン家が反発し命令に従わなかった。

だが、(人1)はそれを受け入れた。

皆に反対されたが、意思は固く。
誰の声も聞かなかった。

体内にイノセンスが宿りシンクロ率も高い数値を出し実験は成功した……はずだった。

それから数週間後、咎落ちの前兆が現れ両腕からは止めどなく血が流れた。
なんとか血は止まったが十字架の傷は深く残ってしまった。

それから様々な薬を投薬し、なんとか咎落ちにならずに今までこれたがいつどうなってもおかしくない状況に変わりはない。

それに傷みは日に日に増している。

『私は自分に誓ったの。アルマと両親と"大切な人を守る"ってその中にレニーさんもバク兄様もユウも入ってる。無力な私に出来ることがあるのなら私はそれにすがりたい』

もうあの悲劇を繰り返さないために

……アルマ
ごめんなさい

ユウを守れない

……お母様、お父様
ごめんなさい

自分を大切に出来ない

……ユウ
ごめんなさい

貴方の全てを奪ってしまって

『代償が必要なら…私の命をあげるわ
それで誰かを救えるのなら、私はそれに従うわ』

『どんな罪も背負って戦う覚悟は出来てる』

『彼に殺される覚悟だってとっくの昔に出来てるわ』

ごめんなさい

レニーさん

バク兄様

ズゥじい様

アルマ

ユウ