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【ハジメマシテ】 ページ26

ハジメマシテ


その言葉を聞くたびに
胸が苦しくなる



アナタハダレ


その言葉を聞くたびに
息が出来なくなる




『神田さん遅れますよ』


教団を出て最よりの駅まで走りながら
隣の奴の事を考える

出発時間に間に合わず
電車が通るルートの橋の上で待機


『ここから跳ぶんですか?』


不安そうな声で下を覗き込むあいつの腰に手を回し
タイミングを見計らって電車に飛び乗る


『わぁ!私初めて電車に乗りました!』


個室を用意してもらい俺と(人1)が向き合う形で座る
(人1)は子供のように目を輝かせて外を眺めていた


目が合うとぎこちない笑顔で


『ハジメマシテ』



また同じ言葉を言う



『あの、神田さんは』

「ユウでいい。敬語もいらねぇ」

『えーと、ユウは"私と会った"ことあるの?』

「……ああ」

『…ごめんなさい。私』

「知ってる。教団の上層部とエクソシストならな」

『ごめんなさい』



何度も繰り返してきた会話



(人1)が謝ることじゃない。
悪いのは全部イノセンスだ。


あいつの記憶を奪って、力だけ強くなって。

あいつの人生をめちゃくちゃにした。


ただ、守りたかっただけで
ただ、力を求めただけで


あいつが一番大切に思っていたものを奪った


教団にノアが襲撃してきて
AKUMAがレベル4まで進化して
仲間が沢山殺されて


リナのイノセンスが結晶型に進化した。


(人1)は自分の無力さに苛立って
イノセンスを無理矢理解放した結果
臨界地点を越えた


次の日から異変が起きた


自分のこと
仲間のこと
大切な思い出を

全て覚えていなかった



覚えているのは

生活に困らない知識
イノセンスの使い方
倒すべき敵


それだけだった



『イノセンス無かったね』

「まぁ、期待も薄かったからな」


今回の任務は無駄足でイノセンスもなければAKUMAもいなかった。


『今日はありがとう。楽しかったよ』

「ああ」


あいつを部屋の前まで送って
今日のあいつと別れる


『じゃあ、ま…ううん、さようならだね』


あいつは
辛そうに
悲しそうに
首を振って
さようならと言った


「違うだろ。"また明日"な」


あいつは
驚いて
俺を見る



『…今日のことも忘れちゃうのに?』



何があっても俺は(人1)を忘れない





「お前が忘れても俺は忘れない。」





また明日も


ハジメマシテから





始めればいい




いつか


イノセンスから


解放される時が来たら





俺がここから連れ出してやる

【両片想い】→←【歌姫】レベル4襲撃*下



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設定タグ:D.Gray-man , 神田ユウ , Dグレ   
作品ジャンル:アニメ
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作者名: | 作成日時:2016年10月30日 21時

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