神田ユウ中編小説 (ページ25)

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【歌姫】レベル4襲撃＊下ページ25

「…い………ぐ…や……！」

蝶から声が聞こえる。
ノイズ混じりで聞き取りにくいけれど

私にとって、とても、とても大切な人達の声が…。

「今すぐ歌うのを止めろ！大切なやつが出来たんだろう！」

そう大切な人が出来たから私は歌う。

”ワタシタチ”はずっとそうしてきた。

みんなの声が聞こえる
私の”名前”を呼んでる

「(人1)！」

神田くんの声だけが耳に残る

「聞こえねぇのか！バカ弟子が！」

(人1)は歌うのをやめ、話し始める。

初めて逃げてもいいと言ってくれた大切な人に。

『…私ね、どうでも良かったんだ。教団がどうなろうと。世界が滅んでも。だって”ワタシタチ”には未来も希望も無かったから。』

そう
前まではそうだったの

『イノセンスが宿ったからここに閉じ込められて何百年もずっと歌い続ける。そんな毎日が憎くて苦しくて生きるのも辛くて』

私は”3人目”で
母と祖母とは違うけれど心も体も”同じ”で
2人の記憶もイノセンスも受け継いで生きてきた

『でも、クロス様に助けられて、アレンと旅をして、神田くんに出会えたから、みんなが幸せをくれたから今の私はここにいるの』

大切な人が私の幸せを願ってくれる

それ以上の幸せなんてきっとない

だから

私も

皆んなの幸せを願って歌おう

『私で"最後"このイノセンスと共に生きるのは。』

(人1)は歌い続ける。
誰の声も届かない暗闇の中で。

大きな振動で下の瓦礫が崩れ
(人1)の体は重力に従い落ちていく。

『ありがとう』

神田くん

「死なせるかよ」

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シリーズ化予定
・エクソシスト
・イノセンスは言葉と声と歌(声帯に宿ってる寄生型)
・クロス元帥の…秘密(4で書きます)
・セカンドエクソシストと関係有り

的な設定で(長編は作れそうにないので…長くなりそうなら新しく歌姫用の小説作ります)

1.出会い

2.ノアの方舟

3.レベル4襲撃 ←今ここ

4.セカンドエクソシスト

今1を製作中
なかなか完成出来なくて、ぶっとんで3が完成したのでのっけました笑