神田ユウ中編小説 (ページ23)

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【火の力】＊下ページ23

『私これでも20歳だけど』

「「……」」

『老けて見えるのかしら。それとも嫌み？』

「お、大人の女性ってかっこいいですよ！」

「あんなガキよりお前の方が可愛いだろ」

神田とアレンのフォローで
少しずつ火の勢いが収まってきた頃

繁華街の方から悲鳴や爆発音が響いた
3人は急いで向かうと
そこにはAKUMAの大群がいて人間を襲っていた

『神田。アレン。行くわよ』

(人1)は拳銃を構え、何もない空に向かって引き金を引く。
すると弾が火花を散らし火を纏うと龍になる。
炎龍はAKUMAを飲み込み灰にしていく。

『全部倒したわね』

今まで隠れていた街人達が顔を覗かせる。
その中に先程のお嬢様もいて神田に近寄り
「やっぱり貴方は私の王子様なのね！」
とはしゃいでいた。

神田は暴れて「離せ！」と引き離そうとする。
アレンは呆れた顔でお嬢様を見る。

(人1)はお嬢様の手を神田から離し

『その人から離れなさい。その人は私のものよ』

とお嬢様に向かって言った。

「「はっ！？」」

神田は顔を赤くさせ固まる
アレンは「有り得ない」「神田なんかに渡すか」と神田の胸ぐらを掴みグラグラ揺らす。

「ス…ストライク！」

『「「は？？」」』

「貴方は私の運命の人ですわー！」

3人は呆れるしかなかったとか

無事に本部に帰ってこれた3人は
報告書は明日に提出することにして
それぞれの自室へ向かう。

部屋に行こうとする(人1)を神田が声をかける。

「さっきのどういう意味だ？」

『さっきのって？』

「…俺はお前のもの…とか」

『あぁ、良くクロス様が言うのよ。私は俺のだって、そしたら男は皆近づいて来なくなるから言ってみたのよ』

「……」

「ドンマイですよ。バ神田。(人1)を誰だと思ってるんですか？師匠の一番弟子ですよ。ばーか」

アレンが神田をからかう
神田がアレンに斬りかかると(人1)は笑う。

そして神田の耳元で呟く。

『嘘よ。神田が好きよ』

「なっ！」

『ただね。浮気性な人は大っ嫌いなのよ』

「……」

翌朝3人で室長室に行くと
キラキラと目を輝かせたお嬢様が
医療班の一員として入団したとか

「(人1)様！愛していますわ！」

「うるせぇ！あいつは俺のだ！」

「まぁ、なんて口が悪いのかしら！貴方よりも私の方が(人1)様とお似合いですわ！」

「てめぇーは女だろうが！」

「愛に性別なんて関係ありませんわ！」

「二人ともバカですか？(人1)もういませんよ？」