神田ユウ中編小説 (ページ20)

今日:2 hit、昨日:21 hit、合計:20,139 hit

【水の力】＊下ページ20

雨はずっと続いています

泣き止むことの知らない赤子のように

両手を背中の後ろで縛られ
足首には鎖をつけられ
綺麗なドレスは血に染まり
私は地面に投げ出されました

あぁ、生きたい

私の目の前には
見たこともない球体の化け物や
白い天使が笑っています

あぁ、もっと生きていたい

私の周りを水が覆い
龍が踊り
雨が鳥に姿を変えた

龍が鳥が私を守るように
化け物が次々と爆発していく

けれど

天使は私の首もとを掴み
さよならと言いました

「させるかよ」

朦朧とする意識が覚醒する
長髪の黒い人が私と天使の間に入り

私を担ぎ上げ

天使に刀を向けます

『……きれい』

「は？」

雨に濡れて輝く髪が
血が伝う頬が
まっすぐ前を見る瞳が

とても綺麗

「リナこいつを頼む」

「分かったわ！神田無理はしないでね」

リナと言われた人が私を受けとると
空を飛ぶ
気持ちいい風が私を包む

リナちゃんが応急措置をしてくれた

その時聞いた

AKUMAとか

イノセンスとか

私が適合者だとか

『さっきの人は？』

「彼もエクソシストよ。私たちと同じね」

『私たち』

「そろそろ私も行かなくちゃ、神田だけであの数のAKUMAは大変だから」

『待って！私も連れていって！』

雨が止む

神田さんは天使……じゃなくてレベル4と戦っている
リナちゃんも加わって

私は水で龍を作りレベル1を片っ端から倒していく

水で弓を作り、水の矢を放つ

日の光が私に降り注ぐ
辺り一面がキラキラと輝き
水に光が反射する

「「(人1)！！」」

思いを込めて矢を放つ

水に愛された娘は
生まれた村を出ました

そして新しい人生を

新しい仲間と過ごして
幸せに暮らすのです

流れ行く川の水のように

どこまでも

どこまでも

進み続けていくのです

『神田さん！好きです！愛してます！』

「うるせぇ！会ったばっかの奴にんなこと言われても信じられっかよ！」

『一目惚れです！』

「いちいち抱きつくな！」

『大好きです！』

「俺はきら」

『愛してます！』

「はぁ……」

「ふふ、二人とも仲良しね」

……幸せですよ？