【天ノ川】*「キミといた夏」 ページ14
小さい頃母に読んでもらったお話
天の川
年に一度しか会えない
織姫様と彦星様
儚い恋物語を綴った本
もう表紙は色褪せて
捲るページ一つ一つにシワが寄っている
貴方に聞いてみたことがある
二人の恋物語の感想を。
「知るか。他人のことなんて知らねぇよ」
冷たく素っ気ない態度で、私の顔すら見もしないで言い放った。
大好きな話を侮辱されたと泣きそうになった。
「会いたいなら今すぐ自分から会いに行きゃ良いじゃねぇか」
少し顔を赤くして、私の顔を見て真っ直ぐな瞳で言いきった。
私の話をしっかり聞いていたと思うと泣きそうになった。
「一年も待つぐらいならどんなに遠くてもそいつがいるところまで迎えに行けばいい」
涙が出た。嬉し涙。
貴方ならそうするかもね。
私の全てが変わった日
貴方に会うことも
誰かに助けを求めることも
出来ずに
スベテ
アキラメテ
何もかも
嘘だと
オモイタクテ
でも、現実で
ワタシニハ
どうしようもできなくて
タダ
タダ
世界が変わるのを待つしかなくて
変わった世界に色は無くて
貴方の敵になってしまった私は
貴方にもう会うことは出来なくなって
世界を壊すことしか出来なくて
「俺ならどっか遠い所まで連れてってやる」
「真っ暗だろうが泥沼だろうが渡ればいい」
「そしたら会えるだろ」
貴方の声が聞きたくて
貴方の名前を呼びたくて
貴方にこの気持ちを伝えたくて
夏の夜
沢山の星が瞬き
大きな川が二人を繋ぐ橋になる
『会いに来ちゃった』
天の川の日に
貴方に
会いに来たのは
覚えていて欲しかったから
私の大好きな話を
私のキモチを
私のカクゴを
『お願い』
『私をコワシテ』
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三月のパンタシアさんの『キミといた夏』の歌詞を少し頂きました
いい曲なので聴いてみて下さい
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作者名:憂 | 作成日時:2016年10月30日 21時