きまぐれ猫は乙骨憂太に惚れました (ページ9)

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【出会い】8 ページ9

そんなこんなで始まった高専での生活
今まで通り気ままに過ごせる筈も無く

任務、任務、任務、授業、任務、
たまに憂太先輩と任務先で遭遇
の繰り返しでお金しか貯まらない

懐は潤うけど、心が潤わない
お金は中学の時に貯め込んだからいらないんだよ

圧倒的にときめきが足りない
憂太先輩不足で死にそう

『七海さーん、私もう帰るのであと琥珀と頑張ってください』

「駄目ですよ。ここの呪霊を祓い終わるまで帰れません」

『もう……うざいんだよ。憂太先輩に会いたいんだよ。今すぐ散れよ』

「口が悪い。それに威嚇し過ぎて呪霊が逃げてます。早く終わらせたいならさっさと祓ってください」

『はぁ、七海さんさがって………"琥珀食らい尽くして"』

私がそう言うと七海さんは私の後ろに回り武器を収めた

私の背よりも大きくなった琥珀の体から20体以上の猫が出てきて唸り声を上げながら呪霊の群れに襲いかかって行った

『のーばら………会いたかったよ』

「ちょっと！いきなり気配消して背後から抱きつかないでよ！ビックリするでしょ！」

「全然足跡とかしなかったんだけど！？どうやったの！？」

『3日ぶりの野薔薇だぁ』

「そんなにキツイ任務だったのか？七海1級術師も一緒だっただろ」

『キツイって言うか………ときめきが足りないと言うか』

グランドで組手をしている同級生3人を見つけて野薔薇の背中に抱き着いた。やっぱり女の子はいい匂いが………

『は！憂太先輩の匂いがする！！』

「うわ。引くわ」

「釘﨑さっき乙骨先輩と組手してたもんね」

『羨ましい！！私も憂太先輩とイチャイチャしたい！』

「組手だって言ってんだろ」

「あ！ヒロインちゃんおかえり～」

『憂太先輩！ただ今戻りました！』

2年の先輩達が両手にペットボトルを持って歩いて来た
憂太先輩は私と目が合った瞬間へらっと笑い頭を撫でてくれた

ん"ん、かわいい。好きぃ。もう疲れぶっ飛ぶ。

「あ……ヒロインちゃんの分の飲み物……ちょっと待ってて買ってくるね」

『お供いたします！！』

「ふふ、ありがとう。ヒロインちゃんは犬みたいだね」

『え、犬？？いや、先輩の犬になれるなら本望です。はい』

自販機に向かって歩き出した先輩の背中を追いかけて隣に並ぶ

先輩は私に歩幅を合わせてゆっくり歩いてくれた
もう好きぃ

「あの猫…いつから憂太のペットになったんだ？？恋人になりてぇーんじゃねぇの？？」

「猫は気まぐれですからね……」