きまぐれ猫は乙骨憂太に惚れました (ページ22)

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✿【G】1※虫が苦手な方は閲覧注意※ ページ22

喉が乾いて目が覚めた

スマホの画面を見ると夜中の2時

枕元に置いてあるペットボトルは空っぽだったので仕方なく起き上がり寝ていた琥珀を抱き上げて談話室の隣のキッチンへ向かう

"一人で行け"

『話し相手いないと寂しいでしょ』

琥珀と会話しながら談話室に足を踏み入れた
ゾッと背筋に嫌な汗が流れた

ｶｻｶｻｶｻｶｻ

どこからともなく嫌な音が部屋中に響き
腕の中でうたた寝していた琥珀が
血眼で毛を逆立て戦闘態勢に入った

私たちの目の前を横切ったアイツは

次の瞬間、私たちに向かって飛んできた

「ヒロインちゃん！！！大丈夫！？？」

「どったの！？すげえ悲鳴聞こえてきたけど！？」

「その腕の怪我どうした！？」

『うぅ…憂太先輩…悠仁…恵………私もう生きていけない』

私の腕の中で暴れ回る琥珀を力の入らない体で何とか抑えつける

絶対離したくない
私の可愛い琥珀にアイツを狩らせたくない

琥珀を止めるため負傷した右手は肩から肘まで二本の引っかき傷から血がポタポタと流れ出ている…意外と深いみたいだ

腰が抜けて立ち上がれない私を憂太先輩が支えてくれて、悠仁が暴れる琥珀を代わりに抱っこしてくれた
恵が私の傷を止血をしようと自分が着ていた上着を脱いで私の傷に当ててくれる

ｶｻｶｻｶｻｻｻｻ

　

『ひぃ、みんな逃げて！！！』

「え？……ゴキ○リ？」

「あれはゴ○ブリですね」

「ゴキ○リじゃん。あ、ちょ、琥珀暴れるなって！」

『その名前出さないで！！
名前呼んだら湧いて出るんだよ！？
卵産みつけられるんだよ！？

ぎゃあぁ！こっち来る！
無理！消えて！爆ぜろ！！』

「伏黒くんヒロインちゃんお願い」

『え！？憂太先輩待って！？』

憂太先輩はテーブルに置いてあった新聞紙を丸めて
アイツに振りかざした

サァーと私から血の気が引いていく

「ヒロイン夜中に大声出して何してんの？」

「近所迷惑ですよ」

『うぅ、さとる～。けんとさぁん』

両手を広げて悟を呼べば抱き上げてくれた
よしよしと頭を撫でてくれる

「ヒロインちゃん、もう大丈夫だよ？」

『……憂太先輩…ごめんなさい…しばらく距離置きましょう』

「え？？？」

「あ～、もしかして憂太ゴキブリ潰した？」

「はい」

「七海～。ヒロイン連れて行って。片付けとくわ」

「はぁ、まだトラウマ克服出来てないんですか？
……仕方ないですね」

健人さんにお姫様抱っこされその場を離れた