"最期"の船長命令。01 ページ3
さすが兄弟というべきか。初めから示し合わせていたように、息の合った鮮やかな戦い方だ。
エースが救出され、Aはほうと息を吐いて小さく口元を上げた。当初の目的は達成された。後は全員でマリンフォードから逃げればいいだけだ。
そんな時、突然無事だった黒いモビーが動き出した。ガリガリと地面を削りながら陸を走るモビーに海兵達が悲鳴を上げる。
「オヤジ！！みんな、逃げてくれェ！！この戦場、俺たちが請け負ったァ！！」
船に乗っているのは大渦蜘蛛海賊団だった。無鉄砲に敵陣へと突っ込んでいく彼らに仲間が渋い顔をする。考えなくとも死ぬつもりなのだと馬鹿なAでも分かった。
かなりの速度を上げて突き進んでいたモビーが突如動きを止める。誰よりも仲間を大切に思っているお父さんがそれを許すはずがなかった。
身体の何十倍もあるモビーを片手で止めながら、お父さんは静かに息を吐き出す。
「子が親より先に死ぬなんて事が、どれ程の親不孝か……てめェにゃわからねェのかスクアード！！つけ上がるなよ、お前の一刺しで揺らぐ俺の命じゃねェ……！！」
誰にも寿命ってもんがあらァ……。諭されたスクアードはほろりと目じりから涙を落とし、オヤジ、と呟く。
「今から伝えるのは……！！最期の"船長命令"だ……！！よォく聞け……白ひげ海賊団！！」
「……え……？」
「お前らと俺はここで別れる！！全員！！必ず生きて！！無事、新世界へ帰還しろ！！」
我が耳を疑った。しかし、周りの動揺から聞き違いではないようだ。戸惑う船員を置いて、お父さんは"命令"を下す。オヤジも一緒に帰るんだろ！？という船員の叫びを無視し、お父さんは腕に力を込めながらさらに言葉を続けた。
「俺ァ時代の残党だ……！新時代に俺の乗り込む船はねェ……！！」
――行けェ！！野郎共ォ！！
お父さんは叫ぶと同時に虚空を叩き付ける。今までよりもずっと力を込められたそれは海軍本部の町の大部分を破壊した。
戦場に響き渡る命令に仲間は顔を歪めながらも駆け出した。足を止めかける船員を他の船員が引っ張って連れていく。戦線から離脱するために動かなければならないのに、動けなかった。
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kｐ.ポテト丸(プロフ) - すっっっ こすこのすこです,,,できればエースと再開した時の話読みたい,,,終わり方もエモ、作者さんセンスの塊すぎて,,, (2022年9月5日 21時) (
レス) @page11 id: cc3d51cba9 (このIDを非表示/違反報告)
なんばんづけづけ - わぁぁあ泣凄くいい終わり方！エース達と再開するところも見てみたいけど、この終わり方の方がエモい！ (2021年8月29日 16時) (レス) id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - とても素敵な作品をありがとうございます！最後読んでて心がきゅっとなりました:')他の皆様もコメントしている通りですが、この作品と出会えて良かったです！ありがとうございます！ (2021年7月27日 6時) (レス) id: 38a2cf9239 (このIDを非表示/違反報告)
米原舞夢(プロフ) - 最初から最後まで一気に読みました。とてもいい作品ですね！この作品の続編みたいなのを作ってみてはどうでしょうか。 (2021年6月23日 2時) (レス) id: f9904f6d7d (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - きゃーぽんさん» そのお言葉が創作の活力になります〜(*T^T) 読んでいただきありがとうございました！ (2021年6月22日 22時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月19日 20時
