迎え。01 ページ33
目の前にロー、右隣にベポ、左隣にシャチ。ペンギンはローの隣に座っている。完全に逃げ場を断たれたAは小さい身体を更に縮こまらせて、生まれたての子じかのようにぷるぷる震えていた。並べられた美味しそうな料理を見ても涎の一滴も出ない。
「食べないの？」
肉を次々と口の中に放り込みながら、尋ねてきたベポに何も言わず曖昧に笑う。お腹はすいているが、ぐっさりと突き刺さっている視線を無視して食べれるほど神経は図太くない。
「で、テメェは何だ？さっきの反応からすると海賊と踏んでいるが」
「…………か、海賊です」
黙っていると視線が鋭くなったので、慌てて答える。Aの回答に両サイドがえ！？と驚いたように声を上げた。
「どこのだ。まさかお前が船長ってわけじゃねェだろ」
俺が船長じゃないことは決定事項ですか。リーダーっていう柄ではないのは自覚しているが、こうもはっきり言われると落ち込む。しかし、こんなに簡単に所属をばらしてしまって良いのだろうか。うむむ、心の中で唸りながら、考えているとローがギロリと睨んできた。
その視線から逃げるように俺は素早く視線をペンギンのぽんぽんに移す。そんなに威圧されてもすぐ答えられな――。
「バラすぞ」
「白ひげです」
恐ろしい単語が聞こえたと同時にAの口は反射的に答えていた。Aの回答にローは瞠目し、面白そうにへぇと口元を歪める。ペンギンも目元が見えなかったためはっきりとは分からないが驚いているようだ。
「嘘じゃねェんだな？」
「この状況で嘘なんてつけないと思う、けど……」
嘘だったらバラすけどな、とか背筋が冷たくなる呟きが聞こえた。脅迫まがいの事されてるのに、嘘つけるほどAは器用ではない。
「Aって意外と凄いとこの海賊だったんだ！俺、知らなかったなぁ！」
もごもごと口を動かしながらベポが朗らかに話す。意外とってなんだ意外とって。内心で突っ込みながらAはハハハ、と引きつった笑いを浮かべた。
「お前は"巻き込む"っつったな」
「はあ、まあ……俺も賞金首だから」
こんななりでも、不本意ながら一応賞金首だ。
気持ちを落ち着かせるように手元にあったナプキンを折り曲げる。山のようにあった肉料理も殆どベポの胃袋に納まり、皿は空になっていた。このレストランに連れて来られた当初よりかは幾らか冷静な自分がいる。小さく息を吐き出し、Aはローと視線を合わせた。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
