食い違い。01 ページ31
「だって、賞金稼ぎが……」
静かになった空気を何とか震わせて、俺はおどおどとしながらローを見上げる。目の下の隈がローの怖さを倍増させている。
「あれ如きに俺が倒されるとでも？」
何が気に障ったのかローは不機嫌そうに顔を歪めた。あの賞金稼ぎを如きと言っちゃうローはかなり強いのかも知れないけれど、俺自身のことにローを巻き込むのはよろしくない。
しかし一般人に俺海賊で賞金首でーす！なんて公言するのは気が引ける。
何とか上手く断れる方法はないかと考えあぐねる。
「A、怖くなっちゃったの？」
「は？え、いや怖くはないけど、巻き込むって言うか……」
「巻き込む？」
今まで沈黙していたペンギンがうっかり口を滑らした俺の本音を鸚鵡返しに尋ねてくる。あっやばいと思った時にはあたりは再び静かになっていた。
「巻き込んでるのはこっちの方じゃね？」
数十秒の空白の後、シャチが首を傾げ不思議そうな顔をした。先ほどから何だか話の流れが可笑しい。あれあれ？ちょっと待て巻き込んでいるのは俺の方であって、ロー達ではない、筈だ。だってロー達はただの船乗りで――。
果たして本当にそうなのだろうか。
船長であるローは医者だとベポに教えてもらったけれど、医者って身の丈ほどの刀を振り回したりしないと思う。少なくとも俺の記憶の中の医者はそんな事をしていない。ない頭を必死に回転させてたどり着いた答えは、ロー達が賞金首、という嫌な予感しかしないものだった。
顔を引きつらせて、首を横に振ってくれたらいいな、なんて淡い希望を抱きながら恐る恐る尋ねてみる。
「えっと、もしかして、海賊、だったり……？」
「あれ？知らなかったのか。俺たちはハートの海賊団だ」
希望が心の中で盛大な音を立てて砕け散った。
「因みにキャプテンは二億の賞金首な！」
「に、二億ぅ！！！？」
シャチが投下した爆弾にAは目を剥き、声を上げる。傍にいたローがうざったそうに眉間にシワを寄せた。いやいやいや何の冗談ですか、嘘デスヨネェ？全身から冷たい汗が噴出す。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
