シャボンディ諸島。02 ページ23
シャボンディという名前の通り、島のあちこちにシャボン玉が浮いている。このシャボン玉はヤルキマン・マングローブから出来る特殊なシャボン玉で、Aのいた世界のシャボン玉のように少しの衝撃では潰れたりしない。というか、乗っても壊れないらしい。
ちらちらと周りを見回してから、今しがた出来たばかりのシャボン玉に乗ってみた。ぐにゃりと円が楕円になったが割れる事はなく、それどころかAを乗せたままふわふわと上昇していく。
「お、おお……すげェ……」
うっかり転げ落ちないようにバランスをとり、徐々にあがっていく視界に感嘆の声を上げる。
なんとも不思議な体験だ。あがりすぎると、降りるのが面倒なので適度な高さのところで飛び降りた。地上から空を仰げば、シャボン玉の浮かぶ幻想的な光景が広がる。
「すげェなァ……」
「――何がすげェんだい？」
「うひぃッ！？」
突然背後から声を掛けられてAは大げさなほど肩を跳ねさせて、勢いよく首を後ろに向けた。
「あんた、白ひげのとこのガキだろ？」
「えぇっと、そう、だけど……」
藤紫色をした髪に、タレ目の女性が不敵な笑みを浮かべて此方に歩み寄ってくる。紫色のナポレオンハットの先端には海賊の証であるジョリーロジャーが刻まれている。Aが警戒したのをみやり、女性は面白そうににやりと口元を歪めた。
「何、そんなに警戒しなくていいさ。私はホワイティ・ベイ。親父様の仲間さ」
「あ、すいません……俺、ちゃんと知らなくて……」
「アッハハハハ！！"白銀"ってのがどんなのか気になってたんだけど、予想以上だねェ……！」
女性――ホワイティ・ベイは申し訳なさそうに謝罪したAにケラケラと声を上げて笑った。Aは腹を抱えて笑うベイをきょとんと見つめる。
「いやぁ……どんなクセのある奴かと色々想像していたけれど、こんなに海賊ってのが似合わないガキだとは思わなかったよ！！」
一頻り笑ってからベイが言う。威勢の良いベイに気おされて、Aははぁ、と生返事をしながら、頬を人差し指で掻いた。
「作戦当日はあんたの戦いを楽しみにしておくよ！」
べしっと肩を一回叩いてからベイは遠巻きに此方を伺っていた部下らしき人の所へと駆けて行った。叩かれた肩を摩りながら俺はちょっぴり涙を流して、ベイの後姿を見送った。
……あの、肩、物凄く痛かったんですけど……。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
