ドラグーンの憂鬱3 (ページ38)

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過去を思い出す。01 ページ38

Aが船に帰って、少ししてナミたちも戻ってきた。あの後何があったのか、ルフィとゾロはひどく痛々しい姿だ。ナミは憤慨した様子で荒々しく甲板に設置されていた折りたたみ椅子に座った。船医であるチョッパーがあたふたと二人に駆け寄り、怪我の手当てを始める。

「Aは！？」

「え……なんだよ……？」

イライラを隠す事もせず、ナミが怒鳴るようにAを呼ぶ。名指しされたAはぎょっとしつつも問い返した。
米神に青筋の浮かばせて恐ろしい形相を浮かべるナミに顔が引きつる。何故俺がそんな視線を浴びせられなければならないのか。ラウンジへと続く階段の半ばに座っていたAは少々逃げ腰になりながら、詰め寄ってきたナミを見上げた。

「アンタね！言い逃げした後私たちがどんだけ笑われたと思ってんの！！！ふざけんじゃないわよ！！」

「ヒィッ！？」

目を吊り上げて怒鳴り散らしてきたナミにAは縮こまる。笑われたのは申し訳ないと思うけれど、言った事は全部事実だ。そんな険悪なムードの中ロビンが帰ってきた。イライラしたナミの様子を見て荒れているわね？と苦笑する。マイペースなロビンにナミは矛先を変え、マシンガントークを繰り出した。

「ロビン！アンタが"空島"がどうとか言い出すからこんな事になったのよ！！もし在りもしなかったら海の藻屑にしてやるわ！！」

何故ナミがこんなに怒っているのか今しがた帰ってきたばかりのロビンは理解できずに首を傾げる。しかしまああれほど馬鹿にされれば誰しも怒るのは当たり前だろう。Aもぶち切れてカウンターテーブル叩き割った。今更ながら店主には可哀そうな事をしてしまったと思う。
よっこらせ、とAは立ち上がり、尻を軽く叩いた。

「言い逃げして悪かったよ。でも、空島はあるんだ、これは本当だから……」

軽く頭を下げ、ナミに謝罪する。誰彼構わず怒鳴り散らして少し苛々が治まったらしく、ナミは何も言わずにため息を吐いた。