ドラグーンの憂鬱3 (ページ36)

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嘲りの町。01 ページ36

アラバスタを出て数日が経過した。A達はジャヤという島へとたどり着いていた。空から真っ二つになったガレオン船が降ってくるわ、猿が来るわ、朝っぱらからよく分からない。

どうしてだか船に乗り込んでいたミス・オールサンデー――基、ニコ・ロビンをルフィは二つ返事で受け入れた。いい奴だよ、と言い張るルフィに他の面子は渋い顔をしたが、結局最後はロビンを認めた。そんな訳でロビンを仲間に入れ、麦わら海賊団は計七人になった。Aは同行しているだけでルフィの仲間ではない。彼らがどう思っているかどうかは知らないけれど、念のため。

ジャヤの西海岸に船を着けモックタウンという名の町へと入る。真っ先に飛び出していったルフィとゾロの背中をナミが追う。その後を付いていこうとしたサンジはウソップに引き止められて渋々船に残らされていた。町の治安は見るからに悪そうだが、下手に目立つような事をしなければ大丈夫だろう。もしかしたらエースがいるかもしれない。

「んじゃ、俺もちょっと行ってくる」

「え"……お前一人で大丈夫かよ……その刺青は隠した方がいいんじゃねぇか？」

「あ、そうだな」

ウソップに指摘され、Aは腰に巻いていたパーカーを羽織った。確かに白ひげの刺青は目立つ。さらけ出して歩いていたら絡まれそうだ。夏島ではないからパーカーを羽織ってもそこまで暑くない。じゃあ行くよ、とウソップに手を振りAはメリー号から飛び降りて町へと繰り出した。

町は想像通り悪人面をした海賊達が闊歩し、まだ昼前だというのに酒を呷っている。町の人は隠れるようにこそこそとその脇を通り過ぎていく。うん、怖い。顔を強張らせながら町を観察しながら歩く。皆海賊だからがたいのいい屈強な男ばかりだ。

(空気だ……！！気配を消せ、俺……！！)

ギクギクびくびく挙動不審になりながら、とりあえずすぐ傍の酒場に入った。情報収集には酒場がうってつけだ。流石に店主まで野蛮って事はないだろう。

バキィッ――

「は……？」

見知らぬ男に見覚えのある麦わら帽子がカウンターテーブルに叩きつけられていた。わーわーと囃し立てるのは店内にいる海賊たちだ。口元の血を拭いながらルフィが立ち上がる。その脇にはゾロとナミがいる。一触即発の気配にナミはぎょっとして、空気をかえようとカウンターテーブルをばしんと叩きながら叫んだ。