ドラグーンの憂鬱3 (ページ30)

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ヒーローは遅れてくる。01 ページ30

安堵した。ルフィが生きていた事にも、ビビが生きている事にも。大きな隼に乗るルフィを見上げて、Aは口元を緩めた。頑張らなくては、俺も。四肢に力を込め、縛り付ける腕を振り払い空へと舞い上がる。ぐるんと旋回してルフィの傍へ向かう。

「A！クロコダイルは俺がぶっ倒す！お前はビビを助けてやってくれ！！」

「おう。勝てよ！ルフィ！」

横を通り過ぎながらの短い会話。何故だか安心できた。Aは城壁の傍にいるビビ達の下へ舞い降りる。人型に戻って周りを見回した。皆それぞれ怪我はしているものの生きている。

「A～～！！怪我してないか？大丈夫か？」

「俺は大丈夫だよ」

多分この面子で一番無傷なんじゃなかろうか。駆け寄ってきたチョッパーを受け止めてにっこり笑う。しかしクロコダイルの攻撃すら無効にするドラゴンの皮膚って最強すぎる。そのお陰でAは今もこうして笑っていられるのだが。

「皆聞いて！クロコダイルはこの広場を砲弾を撃ち込んで爆破しようとしているの！砲撃手を探さなきゃ！」

「もう十五分を切ってるんだ……早く探さないと手遅れになる！」

でもどうやって、とウソップが聞き返す。この塵旋風が巻き起こり、国王軍と反乱軍が戦っている中から探し出すのは難しい。