アルバーナへ。02 ページ23
「ヒッコシクラブは水が苦手なの！河を越えれないわ！！」
どうやって河を越えるつもりだったのか。今更過ぎる問題に頭を抱えた。そうこうしているうちに河が目と鼻の先に迫っている。
「そ、そうだ！"ハサミ"は踊り子が大好きだ！！」
唐突にチョッパーが叫ぶ。因みに"ハサミ"というのはこのヒッコシクラブの名前だ。"マツゲ"といい"ハサミ"といいナミのネーミングセンスはちょっと変だ。それはさて置き、ナミが羽織っていたマントを脱いだ。と、同時にハサミの目がくるんと此方を向く。
ハサミは踊り子の衣装のナミをじいっと見つめ、両目にハートを浮かべた。途端に速度が上がりぐんと身体が後ろに引っ張られる。
「加速したァ！！エロパワーだ！！」
「すげぇぞこのカニ！水上を走ってる！！」
先程よりも二倍三倍に増した速度で足を動かしたハサミはそのまま水上を走る。と思ったら走ったのは僅か十数メートル程で、ぼこぼこと沈み始めた。
「ぎゃぁああああ！！！死ぬっ！！」
ハサミが沈みきるよりも前にAは素早く羽を出し、空中へと飛んで水没を避ける。A以外は全員ハサミと共に水へと沈んだ。暫くすると全員が浮かび上がってきた。能力者であるチョッパーはゾロに救出されなんとか生きている。ハサミも何とか自力で陸上へと戻る。
「み、皆無事か？」
「ちょっとアンタ何ひとり助かってんのよ！助けなさいよ！私だけでも！」
安否を尋ねたらナミに逆切れされた。助けるとかそんな機転、俺には全くありませんでした。そもそも俺にそんな事を望むのが間違っている。あははと半笑いを浮かべると、ナミに般若のような顔で睨みつけられた。ナミ怖い。
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作者名：1 | 作成日時：2021年3月22日 3時
