檻の中。02 ページ19
「クハハハハハ！！ハッハッハッ！！」
ビビがミス・オールサンデーという名の白コートの女性と共にここへやってきたのは少し前だ。クロコダイルのスナスナの実の能力を前にビビは成す術もなく、強制的に椅子へと座らされていた。
まるで演説をするかのようにクロコダイルは自身の作戦を語り、大笑いをする。思い通りに作戦が進んでいるのがよほど嬉しいのだろう。
七武海という隠れ蓑を被って、国を乗っ取る。なんて、汚くて最低な奴なんだ。Aは何の関係も無い第三者だけど、クコロダイルの話を聞いてむかっ腹が立ってきた。この場にいる全員の鋭い視線にクロコダイルはククっと喉を鳴らす。
「……まだ間に合う！！ここから東へまっすぐ"アルバーナ"へ向かえば……反乱軍よりも早く"アルバーナ"へ回り込めれば……！」
反乱軍を止められる可能性はある、とビビは叫ぶ。そんなビビにクロコダイルは奇遇だな、と笑い、コートの内ポケットから徐に小さな鍵を取り出した。クローバーの形をしたそれは恐らくこの檻の鍵に違いない。目の前に鍵を翳されてル フィは寄越せと果敢にもクロコダイルに怒鳴る。それを横目に見ながらクロコダイルはせせら笑い、胸元ほどまでに掲げた鍵をぱっと手放した。
当然の如くそれは重力に引っ張られて落ちて床にぶつかる――
「あっ！？」
よりも前に床に穴が開いて、更に下へと落ちていく。カツンとかなり下の方で音がした。どうやらここより下にも広い空間があるようだ。追いたきゃ追ってこい、とクロコダイルは呆然とする俺たちを笑い、ここから去っていった。
タイムリミットは残り八時間――
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作者名：1 | 作成日時：2021年3月22日 3時
