ドラグーンの憂鬱3 (ページ2)

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情報収集。02 ページ2

冷めた目で数人の男から逃げるエースを眺めていると視線を感じたのかエースがパッとこちらを見た。見る見るうちに笑顔になるエースに嫌な予感がした。

「Aーーー！！」

「おい食い逃げの仲間がいるぞ！あいつも捕まえろ！！」

「うわぁああああ！！馬鹿エースぅううう！！

最低だ。悲鳴をあげAは即回れ右をして駆け出した。持っていた新聞がぐしゃりと潰れたが気にしていられない。

俺は何にもしていないのに、何でこんな目に合わなきゃいけないんだ。背後から聞こえる足音と怒声に俺は泣きながら、必死に足を動かした。

能力を使って何とか撒いたが、全く散々な日だ。もう日暮れだというのに宿も取れていない。というか宿屋の人が飯屋の人と仲が良いらしく中へ入るなり、怒鳴られて掴まりそうになった。
つまり今日は野宿だ。ああもう！どれもこれもエースのせいだ。ちくしょう。

「お、A、こんな所にいたのか！探したぜ――うぉっ！？」

いきなり現れた諸悪の根源に思い切り右ストレートを繰り出すも、自然系だから全く効いていない。何すんだよーなんて言うエースにはぁあと思いため息をつき、持っていた新聞をエースの鼻先へと突きつけた。

「ティーチの情報！俺はちゃんと探してたんだからな！」

どうして飛び出したエースより、俺の方が必死にならないといけないんだ。もう寝る！と木の根元に寝転がり、エースに背を向けた。

「……ごめん……ありがとな、A」

意識が落ちる手前で聞こえたエースの声に俺は吐息を漏らした。