ドラグーンの憂鬱 (ページ50)

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じゃあそういう事で。01 ページ50

ぐずぐずと鼻を鳴らしつつ、俺はエースから離れた。きっと目は真っ赤になって顔はめちゃくちゃで悲惨な事になっているのだろう。
頬が涙でかぱかぱだ。目じりに残った涙を拭いとり、俺はエースに小さく笑いかける。

「エース、ありがとう」

「ん、どう致しまして」

ぽんぽんと頭を撫でられた。俺はそれがくすぐったくてはにかんだ。

「漸くひと段落したみたいだない」

「ふぉっ！？ま、ま、マルコ隊長ッ！」

背後から聞こえた声に俺は驚いて、跳ねるようにして振り返った。漸くってどういう意味ですか。最初から見てたって事ですか、隊長。俺の反応にマルコは呆れたようにため息をつく。

「ビビリすぎだよい」

「え。いや、あはは……」

「とりあえずその酷い顔を洗って来いよい。話はそれからだい」

「…………はい、」

マルコは俺の顔を見て、嫌そうに顔を顰める。酷い顔になっているだろうとは思っているが、嫌悪感むき出しにするほどの顔をしているのか。マルコの反応に内心落ち込みながらも、こくりと頷いた。

洗面所で顔を洗えば、幾らかさっぱりした。目が赤いのは仕方ない。その内治まってくれるだろう。備え付けてある乾いた白いタオルで顔を拭き、軽く頭を振った。髪に付いた水滴が跳ねる。

がしがし、と頭をかき、鏡に映る俺がため息をついた。マルコが一体何をいうのか、ある程度は予想はしているつもりだ。洗面所を後にし、甲板へ戻った。