ティーチと。03 ページ41
暫くしてティーチが戻ってきた。その手には分厚いハードカバーの本がある。
「ほらよ」
「ありがとう！ティーチ！」
差し出された図鑑を受け取り、早速本を開ける。マルコから文字を教えてもらってはいるものの、まだまだ不十分で上手く読めないため悪魔の実のイラストと何とか読める単語を拾い上げて内容を理解する。項目は超人系、動物系、自然系と分かりやすく分けられている。
ゴムゴム、バラバラ、スパスパ――随分沢山ある。
ふと、目に入ったのはイラストのないページ。悪魔の実の名前と説明文だけが書かれている。
「あれ？これ、絵がないよ？」
「悪魔の実は全部が全部確認されてるわけじゃねェから、そりゃ当然だ」
ティーチ曰く、悪魔の実は誰かに食べられてからそういう能力の実があると分かるため、身の外観が分からないものも多いらしい。この図鑑は長い年月をかけて政府が確認の取れているものだけが載せられているとの事。へぇ、と相槌を打ちながら俺は自然系のページを開ける。そこに書かれた説明文を苦戦しつつも読んでいく。
「自然系ってある意味最強じゃない？」
説明に目を通して思った。物理攻撃が効かないとかどんなチートだよ。能力の弱点を突かなきゃダメージを与えられないなんてちょっとずるい。
「そうでもねェ。覇気を使えば自然にも物理は効くんだぜェ！」
「は……き？何ソレ？」
覇気って、あの"覇気がない"とかで使うあの覇気なのだろうか？ううん、違う気がする。ティーチは口の中のパンをコーヒーで流し込むとゼハハと笑う。
「覇気は覇気だ。A、知らねェのか？」
素直に頷くとティーチはしょうがねェなァと苦笑すると、覇気について教えてくれた。本当にいい人だ。ティーチ。顔は怖いけど。
覇気。それは三種類あり、覇王色、武装色、見聞色という。武装色は名の通り、武装……つまり見えない鎧を纏うような感覚で覇気を使うらしい。見聞色は先読みをして攻撃を避ける覇気。鍛えると周囲の人間の声も覚る事が出来るとか。武装色と見聞色は鍛えれば誰でも努力しだいで会得できるが、覇王色は持って生まれた素質がなければ使えない。
聞けば聞くほど凄いものだ。
「へぇー……凄いなぁ……俺にも出来るかな？」
一応誰でも鍛えれば出来るらしいから、頑張ればいけるかもしれない。マルコに鍛え方教えてもらおうかな……あぁ、でもスパルタだ……。
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作者名：1 | 作成日時：2021年3月19日 20時
