四十九話 ページ2
…私の，妹。
青い目。たったこれを持っているからと。
皆から愛された。
妬ましい。羨ましい。なんでわたしは片目が赤いの？
なんて、幼い頃は思っていたっけ。
私たちは場所を移す。
A「…久しぶり。シエル。」
シエル「お姉ちゃん。久しぶりだね。」
そうニッコリと笑う妹。
私の欲しかった全てを持っている妹。
でも理不尽の元凶ではない。
理不尽なのは、あの村だ。
シエル「あのね、お姉ちゃん。今の家族、知りたくない？」
唐突な一言。
A「…いいえ。私は…知りたくない」
シエル「……私たちを壊した原因が、お姉ちゃんなのに！？よくそんなこと言えるよね!ひどい！」
…シエルは、少しだけ私のことを好いてくれていた。
でも。いまのシエルからはそれが感じられなかった。
憎しみ、悲しみ、怒り、殺意。
これが、今のシエル
シエル「…お母さんが、お母さんがね。死んじゃった。お父さんが…やった…の。でも、元はお姉ちゃんがあのとき外に出たから!だから…こんな、こんなことに…！」
シエルは、甘やかされて育てられてきたからそんなに辛くて痛いんだね。
A「そうなんだ。悲しいね。ごめんね。私のせいで。」
シエル「…それだけ？それだけで終わりなの？」
A「…えぇ。私はあの人たちを壊してしまった。それに対する罪悪感はあるけど。死んだことに対しては全く。お父さんは牢屋に入ってくれて、お母さんは死んでしまったから、村長になれるね。良かったね。それに、シエルは神聖なものとされているから村人からの信頼も集めやすいでしょ？」
…シエルって名前は「天」を意味する。
…私とは大違い。祝福されて生まれた。
シエル「…お姉ちゃんは、お父さんとお母さんのことを愛してないんだ。ここまで生きて来れたのもあの2人のおかげなのに…」
…生き地獄だよ。なんで、生かしたの？
A「私は…」
シエル「もういい！お姉ちゃんなんて大嫌い！消えて!罪を償ってよ！」
そう言ってシエルは何かに追われているかのように走っていってしまった。
シエルはきっと、甘やかされ、唆されてしまったのだろう。
性格が前と違う。
…私が、家族みんなをめちゃくちゃにしちゃったんだ。
生きるべきではないことは、知ってる
私はただ生まれただけなのに。なんで私が悪くなったんだろう。
気づくと私は泣いていた。
泣き止んでから、アズールの元へ向かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竜燐 | 作成日時：2021年8月22日 1時
