変えられない過去。無くなった未来。 (ページ3)

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2話ページ3

キツネ目「あ、Aさん！おはようございます！」

心読み「Aくんおはよー」

『おーおはよー』

あの後、教室に戻ってきたAはそのまま流架の元へ向った。

『流架ー、棗迎えにいこー』

流架「え、棗どこか行ったの？」

『うん、脱走しに。今頃鳴海に捕まって多分本部じゃないかな』

流架「え？！わ、分かった。行こう」

その頃

岬は本部に鳴海がいると聞きつけ、鳴海がいるであろう部屋に大声を上げ入るが、そこには気を失った棗と女の子1人のみだった。

岬「…スマン、驚かせたか。鳴海が連れてきたアリス候補生って君か？」

いきなり入って来た岬に驚き、腰を抜かせている女の子はコクコクと首を縦に振った。

岬「ヤツがここにいると聞いて来たんだが…邪魔したな」

ガシッと部屋を出て行こうとする岬を掴み引き止めた女の子に、岬は戸惑いながら話を聞いた。

岬「ナニナニ。鳴海先生が本当に信用できる人かどうか超不安？」

いきなり始まったお悩み相談室に話を聞いた岬は納得した。

棗に対するセクハラに鞭での暴行。その後、棗を靴でフミフミしているのを見ていた女の子は鳴海が優しいのは分かっているが、本当に信用していいのか、岬に相談しているのだ。

岬「成程…(あいつ、一般人の前で何てマネを)」

女の子「ウチの親友もこの学校に居ててウチ…ウチ蛍までそんな目に遭うてるんやないか思てもう…」

ガクガクブルブル震えながら、関西弁で喋る女の子に岬は落ち着くよう諭した。

岬「君の話を聞く限り、多分鳴海は棗を庇ってそういう行動に出たんじゃないかと思うんだが」

女の子「え」

岬「棗は騒ぎ、脱走の常習犯だ。もしもその場で罰も受けず失神もせずただ捕まっていたら、上に引き渡された後、これよりもっと重い罰則を受けることになったはずだ。

興奮した棗の事だ。そばにいる人間に危害を与えかねないなら、きつく接するのもやむを得ないだろう。
一見、変態で誤解も受けやすいが。大丈夫。君を見出した先生は悪い奴じゃないよ」

岬の話を聞き安心した様子の女の子に岬は質問した。

岬「ところで君は、自分のアリスが何なのか知っているのか？」

女の子「………？」

岬「…そうか」

女の子の様子にこの子はアリスについてもよく分かっていないな、と察した岬だった。

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