変えられない過去。無くなった未来。 (ページ18)

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17話ページ18

流架が向かった先は、飼育小屋。
そこにはたくさんの動物達が飼育されていた。そこにコソコソと入り扉をそっと閉める。

流架の姿を見た動物達はハートを飛ばしながら流架に近づく。
すると、段々と流架の顔も緩んでいき…

流架「みんな～♡僕がいなくてさみしかったでちゅか～？」

流架は集まった動物全員に抱きつき、でれ～とうっとりしていた。
いつもの流架からは想像もできない姿だろう。

そんな時、流架の頭の中に北の森の方から助けを求める声が聞こえてきた。

流架は飼育小屋の扉を勢いよく開けると、北の森に向かって走り出した。

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棗「…おい流架は？」

教室で漫画を読んでいた棗は流架がいないことに気づき近くにいた坊主の子に声をかけた。

「えっさあ…どこでしょう」

「あ、俺さっき見かけましたよ。なんか急いだ感じで北の森の方に向かってましたけど」

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助けを求める動物達を走りながら探す流架。
その時、

流架「わっ」

ザザザ…踏んだ地面が急におち、そのまま穴にはまった。

流架「！？」

飛田「ご…ごめんね流架君」

流架「！」

そう、流架が聞いた助けを求める動物達の声は、全て飛田のアリスによるものだったのだ。

『悪いな、流架』

蛍「まさかこんな手で本当に来るとはね。バカなのかしら、こいつ」

蜜柑「そんなことより早く蛍っAっ委員長っ！」

バンッとAの作った縄を握りしめる蜜柑と飛田。そして木の棒を肩に担ぐ蛍と、苦笑いを浮かべるAが流架の前にたち、流架を見下ろした。

～流架side～

心も体も傷だらけで

眠れなくて

流架「こんな…棗」

「棗っ……」

棗「大丈夫……大丈夫だ流架、A」

3人で誓ったあの夜

流架「何で棗ばかり…」

『1人で背負おうとするなよっ…』

棗「今は我慢するしかないんだ」

あの時以降

棗「今は…」

棗の涙を見たことは一度もない

棗「早く大人になって力が欲しい……」

消えた笑顔

眠れない日々

棗「取り囲むもの全てを打つ破るくらい」

強さの代わりに行き場を失くした棗の悲しみは

棗「強くなりたい………」

一体いつまで

棗の心に降り積もっていくんだろう…

どこまで…

．