シンデレラストーリー～Jejung～8 (ページ22)

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第370話　大事な人と愛する人ページ22

YC「いい匂いっすね～」

ニコニコ笑いながら、お鍋を覗き込んでクンクンと匂いを嗅ぐユチョンさんが子供みたいで少し笑ってしまう。

「ユチョンさんも食べますか？」

YC「やめとく。チャンミンの取ったなんて知られたら、後が怖すぎる～」

わざとらしくブルッと肩を振るわせる。

「食欲あるから、すぐ治りますよね？」

風邪を移してしまってすごく責任を感じてるから、ズーンと海の底に沈んでいくような感覚になる。

YC「Aちゃんさ、チャンミンとなんかあった？」

さっきまでニコニコ笑ってたユチョンさんの目が、急に何かを見透かすような眼差しに変わる。

その目の変化が怖くなって、わたしは俯いてしまった。

自分でもわかるほどに顔がこわばってる。

きっとユチョンさんにはこれが答えだと思われたかもしれない。

YC「ジェジュンヒョンを不安にさせないであげて？」

わたしの頭上から優しくて心配げな声が降りてくる。

「ちがっ…なにも…」

YC「ないわけないよね？Aちゃんがチャンミンを大事に思う気持ちはわかるけど、彼氏の前で他の男のことをあんなふうに心配した顔しちゃダメだよ」

わたしが引かせてしまった風邪で苦しんでるのに。

友達を…

男ってだけで心配しちゃいけないの？

チャンミンは、

陸たちと同じくらに大事な人間なのに。

ただそれだけなのに、なんで？

男と女だから、そういう思いを持っちゃいけないってことなら…

ただでさえ少ないわたしの大事な人間がもっと少なくなっちゃう。

「…どうして…みんな…わかってくれないんですか」

顔を上げてユチョンさんに呟くように言う。

「教えて下さい…わたしが大事だと思う人を心配しちゃいけない理由を」

今度はハッキリ言うとユチョンさんが困ったような顔になって、ふぅーと息を吐いた。

YC「そっか、Aちゃんにとってチャンミンは大事な人なんだ。じゃあ、ヒョンは？」

「ジェジュンは…わたしの恋人で…愛しくてしょうがない人です」

言ってる途中から照れくさくて、どんどん顔が熱くなっていった。

YC「愛してるってこと？」

「それはジェジュンにも言ってない言葉だから、ユチョンさんに言えません」

ふふっとユチョンさんは笑って、

YC「ヒョンは大変だな～」

「大変？」

YC「AちゃんがAちゃんだから、これからも苦労するね～」

くしゃりとかわいい笑いをわたしに見せて、リビングから出て行った。

意味が…わからない…