＊72 名刺 ページ22
神埼さんの言葉に驚いてると、クスっと神埼さんは笑ってわたしに名刺を差し出す。
神埼「Aさんの傍にいつも彼がいるわけじゃない。だからまだチャンスはあるって思ってます。これ受け取って下さい」
差し出された名刺をただ見ていると、神埼さんはわたしの手を掴んで名刺を持たせた。
神埼「連絡して欲しいなんて言いません。だけど、捨てないで下さいね」
名刺を持ったわたしの手をポンポンっとしてから、神埼さんは「じゃあ、帰ります。おやすみなさい」とニッコリ爽やかな笑顔で手を振って帰って行く。
一連の言葉に驚き、行動のスマートさに何も言えずわたしはただ神埼さんの背を見送った。
「はぁ〜〜〜」
手に握らされた名刺を見て、大きなため息。
優しくていい人だけど、こんなに強引な人だとは思わなかった。
だけど嫌いになれるような人じゃない。
「A、何やってんの？」
振り返ると、翔太がコンビニの袋を手に立っていた。
「飲みに行った帰り」
翔太「またナナミさんと？それともこの間、キスマーク付けた男？」
「なっ」
この間部屋に来たときに何も言わなかったから気付かれてないって思ったのに、見たんだ！
さすが目聡いだけあるわ。
翔太「図星？」
「違うってば！ナナミとナナミの同僚の子たち」
敢えてコンパの相手が来たことは言わない。
翔太の口がまた煩くなるだけで、そんな親が言うような言葉を弟から聞きたくないし。
翔太「で、手に何持ってんの？」
やっぱり目聡いっ！
隠そうとする前に翔太に名刺を奪われた。
「ちょっとっ！」
翔太「Aのうそつき。こいつと飲んでたんじゃないの？」
ズズイっと翔太に詰め寄られる。
「うぅ･･･ん･･･その人もいたけど」
翔太「コンパ？」
「ナナミの同僚の知り合いの人」
翔太「それ、コンパっていうんじゃないの？」
「うぅ･･･そうとも言うかも･･･」
翔太「この名刺の男のこと気に入った？また会うつもり？」
名刺をヒラヒラさせながら聞く翔太にカチンとくる。
わたしのこと心配してるのはわかるけど、なんでそんなにイヤなふうに問い詰めるように言うわけ？
もぉっ、むかつく！！！
翔太から名刺を奪い取って、
「うるさいっ！さっさと彼女作りなよ」
自分の部屋までダッシュする。
翔太「待てよ、Aっ！」
追っかけてくる翔太に振り向きざまにアッカンベーすると、「お前、いくつだよ」と言ってその場でクスクス笑い出した。
ラッキーアイテム
革ベルト
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ゆめら(プロフ) - KTさん» はーい！ゆっくりですが更新していきますねー (2017年3月17日 21時) (
レス) id: 5d9e5ffd54 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめら(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！ (2017年3月17日 21時) (レス) id: 5d9e5ffd54 (このIDを非表示/違反報告)
KT(プロフ) - 更新 うれしいです！ (2017年3月12日 9時) (レス) id: b0be9a4057 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - ゆめらさんの描かれるチャンミンすごく魅了的で素敵です。これからも楽しみに更新お待ちしてま-す(^O^) (2016年2月12日 8時) (レス) id: cc79719a24 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめら(プロフ) - ららさん» ありがとうございます！ (2015年10月21日 23時) (レス) id: ef19f34a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめら
| 作者ホームページ：https://twitter.com/yumera
作成日時：2012年4月30日 21時
