＊70 神埼さんの告白 ページ20
「あのっあのですねっ」
神崎さんの顔が近過ぎて、一生懸命身体を仰け反って逃げる。
だけど自分の限界が来て手の付く位置がズレ、危うく地面に落ちる寸前に神埼さんの手で背中を支えられ事なきを得た。
ほっ、良かった。
って安心してる場合じゃない！！！
さっきよりも神埼さんの顔が近くて、息がわたしの顔にかかる距離になっていた。
「付き合ってます！わたしあの人の彼女なんです！！」
大きな声で言って神埼さんの胸を押しやると、すぐに神埼さんは離れて元の位置に座って寂しそうな顔をした。
神埼「電車で会ったときのこと覚えてますか？」
あの居心地のいいスペースを作ってくれた時の事だよね。
コクンとわたしは頷いた。
神埼「ちっさい人がぎゅうぎゅうに押されて、そのうちに潰されちゃうんじゃないかって心配になったんです」
「どうもあの時は助かりました。ありがとうございます」
神埼「もうねコンパのことなんてどうでも良くなってたんですよ。Aさんの事が頭から離れなくて……なのにお店に行ったらAさんがいて。はじめて運命ってあるんだって思いました」
あれ？
これってまさかわたしを好きってことなの？
まっまさかそんなハズはないってば。
29年間モテたことないし、告白なんてされたことないし、
自意識過剰になっちゃダメだって。
落ち着け落ち着け、わたし。
神埼「あぁーあ、彼より先に出会いたかったです。もう今からは間に合いせんか？」
これってやっぱりわたしのこと…
そうなのかな？
恐る恐る聞いてみる。
「間に合うって…あのどういう意味でしょうか…？」
神埼「あはは。Aさんが好きってことです」
はにかみながらも爽やかな笑顔でサラっと告白されて、わたしの心臓がドクドクと足早に動き出す。
「えっと…？」
人生初の告白に盛大に目が開いた。
こんなわたしを好きだと言ってくれて嬉しい。
だけど、
わたしはもう運命の人に出逢ってしまってるから。
「もう間に合いません」
キッパリと言い切った。
神埼「そっか。俺じゃ彼に勝てないよね」
「そういうのって勝ち負けがあるんですか？」
神埼「だって彼は最強でしょ？」
今なんて？
まさかチャンミンってバレてるの？
神埼「そんな顔しないで下さい。誰にも言いませんから」
優しく微笑む神埼さん。
ほんとにいい人だな。
たぶん、チャンミンに出逢う前だったらきっと神埼さんを好きになってた。
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ゆめら(プロフ) - KTさん» はーい！ゆっくりですが更新していきますねー (2017年3月17日 21時) (
レス) id: 5d9e5ffd54 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめら(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！ (2017年3月17日 21時) (レス) id: 5d9e5ffd54 (このIDを非表示/違反報告)
KT(プロフ) - 更新 うれしいです！ (2017年3月12日 9時) (レス) id: b0be9a4057 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - ゆめらさんの描かれるチャンミンすごく魅了的で素敵です。これからも楽しみに更新お待ちしてま-す(^O^) (2016年2月12日 8時) (レス) id: cc79719a24 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめら(プロフ) - ららさん» ありがとうございます！ (2015年10月21日 23時) (レス) id: ef19f34a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめら
| 作者ホームページ：https://twitter.com/yumera
作成日時：2012年4月30日 21時
