＊97 泣いてない ページ47
「ごめんなさい……」
美味しい韓国料理を食べさせてもらってすごく満足なのに、マンションのチャンミンの部屋に着いたいまでも浮上できないわたしの心。
最初にマンドゥンイに似てることはチャンミンに言われた。
わたしだって日本のマンドゥイになるって自分で言った。
だけど、ちゃんと「女性」として「好き」だって言ってもらたからんだから別に落ち込むようなことじゃないのに。
CM「なんで謝るの？Aは悪くない」
「せっかくご馳走してもらったのに気を使わせちゃったし」
鶏の身の解し方のプロっていうあの下りを今さらながら思い出して、そんなプロいないって心の中で突っ込んだら沸々と笑いがこみ上げてきた。
CM「ヒョンが変なものお土産にしたりよけいなこと言ったからヒョンが悪い。もう……気にしないで？」
と、顔を覗き込まれた。
半笑いの口元を見られたくなくて、ぷいっと顔を逸らす。
早く顔を普通に戻して、「もう大丈夫だから」って言いたいのに口元が余計に歪んでしまって。そのうち笑い声までも立ててしまいそうで、慌てて唇をきゅっと噛んだ。
CM「A？泣いてる？」
そっと肩を抱き寄せられ、「ごめん最初に僕が似てるなんて言ったから」なんて後悔の念を含んだように謝られる。
どうしよう･･･
笑いを堪えるために踏ん張ったから、肩がふるふると揺れて泣いてるって勘違いされた？
泣いてないって否定したいけど、いまのこの雰囲気じゃあなんだか言い出しにくい。
とりあえずジッとして、言えそうな雰囲気になったらちゃんと言おう。
CM「A……僕はどうしたらいい？どうすればAは泣かない？」
優しい声が耳の側で囁かれ、吐息でゾクリと肩が上がり震えた。
思わずチャンミンから身体を離そうとしたら、逆に強い力で引き戻され顔を両手で包み込まれる。
CM「･･････A？」
「･････････えっと、」
そんなくりりんとした大きな瞳でじっと見られたら、何をどう言えばいいかわからない。
困ったわたしは「えへへ」とごまかし笑いでごまかそうと思ったが、チャンミンがそんなもんでごまかされるわけもなく。
CM「ふぅ〜ん。騙したんだ僕を」
冷たい一瞥とともに、手の甲で頬を撫で上げられた。
こ、こわいっ。
今度は違う意味でぶるるんと肩が震えた。
「だ、騙したなんてっ」
CM「･･････もう気にしてない？」
チャンミンの目を見て、コクンと力強く頷いた。
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ゆめら(プロフ) - KTさん» はーい！ゆっくりですが更新していきますねー (2017年3月17日 21時) (
レス) id: 5d9e5ffd54 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめら(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！ (2017年3月17日 21時) (レス) id: 5d9e5ffd54 (このIDを非表示/違反報告)
KT(プロフ) - 更新 うれしいです！ (2017年3月12日 9時) (レス) id: b0be9a4057 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - ゆめらさんの描かれるチャンミンすごく魅了的で素敵です。これからも楽しみに更新お待ちしてま-す(^O^) (2016年2月12日 8時) (レス) id: cc79719a24 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめら(プロフ) - ららさん» ありがとうございます！ (2015年10月21日 23時) (レス) id: ef19f34a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめら
| 作者ホームページ：https://twitter.com/yumera
作成日時：2012年4月30日 21時
