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廉side
廉｢…………………｣
こんなこと、言うつもりなかった。
ただ、東京いく、もっとおっきなったら迎えに行くから、一緒になってほしい。
そういうつもりやった
やけど、どうしても疲れてて、いいよなって。ただ勉学に励んどけばどうにだってなるやん、
俺は、俺はずっと、周りからの重圧にやられそうになってる。
そう思ってた。
心のどっかで勝手に羨ましがってた。
会いたい、そう思っても今の自分じゃ
きっと傷つけてしまう、
やのに、こんな展開じゃ、余計に。
廉｢………すいません、きついこと言うてもうて｣
｢…俺はいいですけど、彼女どうするんですか｣
廉｢…もういいわ、(笑)｣
｢…さっきから思ってたけど、永瀬廉、？｣
廉｢…そうです｣
｢…なんで彼女と付き合ってんの？｣
廉｢中学校の同級生で、そっから3年間。｣
｢…………………へぇ。｣
｢浮気なんてするはずないってわかったんじゃないですか？なんでわざわざあんなこと言うたんですか｣
廉｢……………わからん｣
俺やってほんまにわからんもん。
なんであんなこと言ったんか。
不安やったんか、手放す時が来たと必然的に思ってしまったのか、
｢わからんなんて理由にはならんけど。｣
｢…………俺なら、彼女泣かせることなんてしません。あなたみたいに東京急に行ったりもしません、｣
廉｢……………｣
彼になら、きっとAを泣かせたりもせず
会いたい時に会えて、一緒に登下校したり、
人の目も気にせずデートしたりできんねやろな。
普通の幸せなんやろうな。
…なにが迎えに行くやねん。
迎えに行く、なんて一丁前に言っといて
彼女を傷つけた。
やけど、やけど。
廉｢…やけど、ほんまは、それでも手放したくないんです｣
｢…｣
廉｢彼女が俺のことがもう嫌いでもいいです、もう一回だけ、迎えに行く、そう伝えたいです。泣かせることだって多分ある、いや、絶対ある。会いたい時にも会えないです、それでも、俺は、｣
廉｢……彼女が、好きで仕方ないんです｣
今更言ったって、仕方ない。
分かってる、もう終わったことなんだよ。
だけど、もう一度だけ、伝えさせてよ。
廉｢それが出来なかった時は。｣
廉｢Aのこと、守ったってください。俺じゃ、なんにも出来ません。｣
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作者名：yuma | 作成日時：2021年3月2日 0時
