Love or Lies (ページ13)

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その日が来てしまった。

『廉くん、今度の日曜日にさぁ』

廉｢…あ、ごめん…俺その日無理｣

『…そっか、』

廉｢…ごめん、おやすみ。｣

高校生になって、

私は府内の進学校。
廉くんは芸能コースがある学校。

離れ離れになってしまった。
廉くんはだんだん人気になっていって、
前よりも会える量も減って、

……………寂しいなんて、言えなかった。
寂しいなんて言ったら、廉くんが困ると思ったんだ。

たまに電話するだけでよかった。
ただ、廉くんが私を覚えて、
ちょっとだけでも、必要としてくれてたなら。
なんだって良かったんだ。

だけどそれも段々寂しくなってきた。

人間とは、欲深い人間で
それでいて、醜いものだった。

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｢………Aさん？｣

『…あ、田中くん。』

｢なにしてるの？｣

ちょっとでも会いたくて、
ちょっとでも顔を見たくて
気づいたら私は家を飛び出していた。

ただ、1分だけでも会いたかったんだ。

『私は…散歩だよ。田中くんこそ、どうしたの？』

｢俺は塾の帰り｣

『…そっかあ』

田中くんはクラスの同級生で、
よく話が合う人。
相変わらず友達が片手に収まるくらいの私の大切な友人。

頭も良くて、教え方も上手でいつも頼ってしまう。

｢こんな時間に1人って、危ないよ？俺送っていこうか？｣

『……あー。ううん、いい、ごめん。』

廉｢…………A、なんしてんの｣

『…………………廉くん。』

真っ暗だし、変装してるけど
声と、その甘い香りですぐに気づいた。

会いたかった人が、すぐそばに居る。

だけど。

廉｢……｣

今は、会いたくなかった。
勘違いされたくなかった

廉｢…堂々と浮気？夜に密会？彼氏の家の近くで？｣

『…違うっ、』

｢彼氏…？｣

廉｢…言ってなかったん？｣

『だって、だって、廉くんは…』

廉｢……………まぁなんでもいいわ。｣

『ちがう！ねえ、ちがうよ、田中くんは…！』

廉｢…………なぁ、A。おれ｣

廉｢東京、いくわ。｣

『…とう、きょう、？』

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