Love or Lies (ページ3)

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「れん、どこいったー？」

「え、もう仕事行ったよ？」

「え！嘘やん！俺勉強教えてって約束してんけど！」

「そう言えば急に入ったって言うてたわ」

「うわ、最悪！！！」

いわゆる陽キャグループで永瀬くんの名前が出た。
どうしても最近は、永瀬くんのことになると耳が良くなる。

仲良くしようなんて言っときながら
あの日から1回も話してないのに。

『あっ、あの…永瀬くん、って、お仕事してるの…？』

初めて声をかけた女の子は、
黒髪ストレートが似合う大人の女の子だった。

「あー…まだ知らないよね、」

「永瀬ってさ、ジャニーズやねん」

…ジ、ジャニー、ズ、？

あの、嵐とか、そういう人たちの？
え、永瀬くんって、芸能人だったの？
頭の中で色んなことがループした。

「それにあの美貌やからさ、めちゃめちゃモテるんだよ、女はみんなの永瀬くんなんて言ってる、この前抜け駆けして言いよった女、虐められて今不登校」

『…ええ、えっ、こわいなぁ、』

『…(人1)ちゃんは、…興味無いの？』

「ないよあんなチャラそーな男。私はもっと大人な方が好きやで、」

その目は遠いどこかを見ていて、
何故か儚げだった。

その日から永瀬くんを見ることはやめた。

良く考えればアウトだし。
いじめられるとか…さすがに怖いもんね、
と言い聞かせ、

好きかも！なんて気持ちも追いやった。

…はずだった

廉「なぁ、Aちゃん」

『！わぁ、！！…へっ、な、なんですか…？』

学級日誌を書いていると後ろからずっと聞きたかった声がした。
他の子よりも少し高い、甘い声だった。

廉「んー？ふふ、仕事で使うやつ学校おいてきてもぉてさぁ、取りにわざわざこっちきてん！そしたら日誌書いてたから」

『…あぁ、』

廉「あー、聞いてもた？俺がジャニーズって」

『う、ん。』

廉「どー思った？」

『え、？』

廉「見る目、変わった？知ってた時の俺と、知らんかった時の俺」

『……あっ、えっと…その。』

答えなんて決まってるのに、上手く表現できなかった

廉「…ははっ、いいよ、大概わかってるから」

『…いや。あの。えっとね、…ちゃんと伝えたいんだけど、』

廉「ん？ゆっくり言うていいよ」

『…ちょっと、びっくりした、だけど…永瀬くんは永瀬くんだと思う』

廉「……………」

一瞬、永瀬くんの目が揺れた。