Love or Lies (ページ19)

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父が他界し、母が病気になってしまった。
いつまでも結婚しない私に、

母が誰かと結婚して安心させてくれ、そう言った。

それから数日して、今じゃありえないと思っていた
お見合い、をした。

年齢は10個ほど上だった。
30代の大人の男の人、というイメージ。

好きとか、嫌いとか、そう言うのは関係なかったから。

あの人以外なら、誰と結婚したっておなじで
私が大好きでたまらないのは後にも先にも君だけだから、

「ねぇ、」

『ん？』

「king&prince、って知ってる？」

『……………え？』

胸の内がザワザワした。

『…しってるけど、なんで、？』

「今度僕のところで衣装作るらしいんだ～」

『…そ、なんだ。』

彼は服飾系で働いていて、結構偉い人だった。
忘れていた。

「でね、こっからが本題なんだけど、」

「女の子の意見も聞きたいから、うち来て彼らが着てみたときの感じ見てほしいんだけど」

『…………は、？』

「ほら、ファン層って大体が君のような年頃じゃないか、だから1番僕に近い女の人が君だし、参考にしたいと思ったんだよ」

『い、いや、会社にもっと人いないの？』

「女の人が色めき立っちゃうと困るし、仕事にならないから上層部だけの秘密なんだよ。事後報告のつもり。だし、Aあんまりアイドルとか興味ないって言ってたから」

興味がないんじゃない、
ない振りをしていただけで
今でもあの人のことが。

「急で悪いんだけど、明後日、開けといて。あと、」

「好きにならないでね。」

私は、思った以上に束縛心の激しい人と出会ってしまったのかもしれない。

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