いっしょにねよっか。 ページ4
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がばり。掛け布団を跳ね除けて、上半身を起こす。荒い息を整えながら、汗で濡れたおでこを拭った。
壁掛け時計の針が指し示す時刻は、3時33分。草木も眠る丑三つ時、というやつだ。
酷い悪夢を見た。暗くて長い廊下をひたすら歩く。背後でひたひたと足音がする。振り返れない。歩く、歩く、歩く。……肩にぴとりと、冷たい感触。
そこで目が覚めた。ホラー耐久ないんだよ、怖いのはやめてくれ。
思い出したくもない夢の内容を反芻していると、だんだん汗も引いてくる。この調子でさっさと寝よう。
……と思ったのに、寝れない。目を瞑ると生まれる暗闇がどうにも恐ろしい。
しょうがない、最終手段だ。頭に浮かんだ策を実行すべくベッドから飛び降りた。
＊＊＊＊
こんこんこん。扉を三回ノック。部屋の主が起きているとは思っていないので、ゆっくりと扉を押し開ける。
きぃ、と鳴った蝶番にびくびくしながら声をあげた。
｢ゆまさぁん……｣
暗い部屋に響く情けない声。私が思いついた最終手段というのはゆまさんに一緒に寝てもらう事だった。一人が怖いなら二人しかない。
ベッドに出来た山を眺めていると、もぞもぞと動き、寝ぼけ眼のゆまさんが顔を出した。
｢ゆり……？｣
目をしぱしぱさせてこちらを見るゆまさん。
｢あの、怖い夢見ちゃって。一緒に寝てもいいですか……｣
言ってる途中で少し恥ずかしくなって、変な風に敬語が交じる。だって、怖い夢見たから一緒に寝てってどこの小学生だ、ってなるじゃん。
断られたら潔く戻ろう……と俯いていると、ゆまさんが動く気配。
ベッドの中のゆまさんが、端の方に寄って、掛け布団を持ち上げて、自分の隣をぽふぽふと叩く。
｢おいで｣
へにゃ、と笑ってそう告げたゆまさんにどうしようもなく嬉しくなって。
ありがとう、と震える声で呟いてゆまさんの隣に潜り込んだ。
恥ずかしいから背中を向けていたのに、向かい合うように引っ張られて、ぎゅう、と両手で抱きしめられる。
｢ゆまさん、｣
｢おれねるから〜｣
離してもらおうと思ったのに、ゆまさんはそう言って、本当にすうすうと寝息を立て始めてしまった。
抜け出せそうもないので体の力を抜いて、ゆまさんに擦り寄る。
すう、と息を吸うと、煙草とシャンプーが混ざったいつも通りのゆまさんの匂い。
あったかくて、安心する。
ゆまさんの胸に顔を寄せて、おやすみ、と呟いた。いい夢みれそう。
｢……おやすみ｣
……おきてたの。
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M - この話めっちゃ好きです！今リクエストしても大丈夫ですかね。。。大丈夫でしたら夢主が風邪をひいて看病してもらうのが読みたいです！ (2020年1月23日 1時) (
レス) id: 0b28302cf7 (このIDを非表示/違反報告)
おさかな(プロフ) - れとるさん» わざわざ感想ありがとうございます……！お気に召していただけたようでなによりです。それと、私の書く作品に暖かさを感じてもらっているのが本当に嬉しいです。目標を達成できたような気持ちです。こちらこそ本当にありがとうございます……！ (2020年1月6日 23時) (レス) id: 3f3d2ab6e5 (このIDを非表示/違反報告)
れとる(プロフ) - こんにちは。リクエストした作品も更新分も、何度も何度も読み返させて頂いております。黒色さんに照れくさいこと言われてしまう赤色さんがとっても可愛かったです！おさかなさんのお話の暖かさが本当に好きです。素敵な作品をありがとうございます！ (2020年1月6日 6時) (レス) id: 7c1cb71d3a (このIDを非表示/違反報告)
おさかな(プロフ) - れとるさん» れとるさんコメントありがとうございます！私がイメージしていた赤色さんがれとるさんに伝わったみたいで本当に嬉しいです…！リクエストも承りました、次回更新で書かせていただきますので暫くお待ちください。これからもよろしくお願い致します！ (2020年1月4日 22時) (レス) id: 3f3d2ab6e5 (このIDを非表示/違反報告)
れとる(プロフ) - 続けてのコメント失礼します。まだリクエストが可能でしたら、２人でいるときに偶然他メンバーと鉢合わせたときの赤色さんの反応が見てみたいです。よろしくお願いします。 (2020年1月4日 8時) (レス) id: 7c1cb71d3a (このIDを非表示/違反報告)
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