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10話 ページ41

頂上にたどり着けば既視感のある芝生広場が目に入った。
疎らにそびえ立つ岩にもたれかかったエボルトも。


「思ったよりも早かったじゃないか。そんなに消されたいか?」

『消されるために来たんじゃない』

「私達がお前を倒す、民衆のために」

「はっ、やってみろ」


エボルトは高らかな笑い声を上げて私達を見据えた。
私は内海さんと目を合わせて頷くと、エボルドライバーを身につけて変身した。

エボルトはどこからでも掛かってこいというように手を広げてくる。
私は拳を握りしめて走り出した。

私達はエボルトに休む隙など与えないくらい、怒涛の攻撃ラッシュをした。
飛び蹴りをしようとした足を掴まれ投げ飛ばされて、エボルトに向かっていこうとした内海さんにぶつかってしまう。

すぐに立ち上がって必殺技を打ち込もうとエネルギーを溜める。
その間に内海さんがエボルトに向かっていき、充分にエネルギーを溜められた。

私もエボルトに向かって走り、必殺技を放った。

エボルトは内海さんを弾き飛ばして私の攻撃に目を向けた。


「そんな攻撃で俺を倒せるか!」


嘲笑して、私の必殺技を全方向に跳ね返した。
私と内海さんはその攻撃に当たって、吹き飛ばされてしまった。

地面に倒れて、立ち上がろうとしても体が痛んで立ち上がれなくなる。


「この強さ……一体いくつの星を滅ぼした?」

「さぁな、エネルギーにするためだけに消した星を、いちいち覚えているわけないだろう?こんなに思い入れがあるのは地球くらいだ。ま、この星ともお別れだがな」


エボルトが手をかざすと、少し離れたところにモニターが現れた。
モニターに映ったのはレックイーンと戦う戦兎達。


「4人がかりでこの有様だ。エボルドライバーの力をもってしても、2人ではこの俺には勝てないんだよ」


どちらが勝つとも言えないその状況を目の当たりにして、私達の現状を打破できるのは私達しかいないことを悟った。


「さて、仕上げに入ろうか」


エボルトはパンドラボックスに手をかざし、そのエネルギーを吸い取った。
そして自らの手を空に向け、ブラックホールを作り出す。


「自分の星の終焉を見届けろ!」

『……守らなきゃいけないの。みんなを、この世界を!』

「ここで黙って見届けるために来たのではない。救うために来たんだ!」


私達は歯を食いしばって立ち上がる。
内海さんはハイパーエンプレスを取り出した。

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作者名:Non | 作成日時:2020年8月8日 18時

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