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15話 ページ16

噴水の広場で今日は戦兎のガラクタ…発明品を売っている。
龍我は寝っ転がって売る気は無いみたいだけど。


『ほらほらー!面白い発明品が沢山あるよー!今なら安くしますよー!…全然来ないや』

「こんなの売れねぇって」

『寝っ転がってないで手伝えば?』

「A、仕事は?」

『今日はお休み。だから手伝ってるんだよ?』


ブルーシートに目を向けると1人の男の子が座って発明品を眺めていた。


『これはね、蜘蛛型ペットロボっていうの!恋が叶うよ〜?』

「えっ!じゃあ欲しい!」

『まいど〜!』

「うそーん!」


売れたのがよっぽど驚きだったのか固まってしまった。


『私にかかればこんなの一日で売れちゃうから』

「たまたまだよ、たまたま」

『おっ!これ欲しいの!これはね…』


さっきの子を境にどんどん売れていく。
その光景を見て龍我も手伝いだした。

夕方になる頃にはブルーシートの上にあった発明品は全て売れた。


「すげぇ…」

『こういうのはね、相手の懐に入り込まなきゃ買って貰えないんだよ』


達成感で鼻歌を歌いながらブルーシートを片付ける。


「なぁ、会いに行かなくてごめんな」


龍我は私の顔を見ずに謝ってきた。


『いいよ、私を気遣ってくれたんだもんね。ありがとう』


龍我の顔を覗き込んでニカッと笑う。
そうすると龍我も笑って「帰るか!」と言った。
私は大きく頷いて、ブルーシートをバックに入れた。

帰りに繋いだ大きな手は、とても温かかった。

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作者名:Non | 作成日時:2020年8月8日 18時

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