NEW WORLD (ページ44)

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13話ページ44

私の脳にハイパーエンプレスの攻撃パターンが瞬時にインプットされた。

「所詮人間の道具だ。俺には勝てない！」

エボルトが私に向かってくる。
私はその横に手をかざした。

するとそこに白い穴が空いて中から紫色の炎が飛び出しエボルトを攻撃した。

「なんだその攻撃は！」

エボルトは驚いた様子で炎の攻撃を食らった。
よろけた先に手をかざしてみればそこにも白い穴が空き、それから生成された岩に押されて地面に叩きつけられる。

『あんたが黒で壊すなら、私は白で創造する。それがハイパーエンプレスの力よ』

「ふざけるな！レックイーンの爆発でこの星にもダメージを与えた。その力を使えばまた新世界ができた時のように、人間の記憶から貴様らの存在は消えてなくなるぞ！」

ブラックホールに少しずつ吸い込まれていくビルを目にして、これを元に戻すにはまた新世界を作らないといけないのかと思った。
ハイパーエンプレスの力ならそれが可能だろうから。

その時、内海さんがエボルトに攻撃を食らわせた。

「それでも！お前が地球を滅ぼすのを阻止する！！」

『讃えられなくていい、感謝されなくてもいい。ただこんな悲劇があったことを忘れて、幸せに生きて欲しい。それが、私達の願いなんだ！！』

自分のすぐ横にホワイトホールを形成してその中に手を入れて、剣の形をした武器を取りだした。
それを使ってエボルトを斬りつける。

「そんな綺麗事で、世界を救うだと？笑わせるな！」

エボルトは内海さんを遠くへ跳ね飛ばして私の攻撃に集中し始めた。

私はエボルトに斬りかかって、エボルトは宙に体をのけぞらせた。
そこに内海さんが必殺技を溜めて空高くまでエボルトを吹き飛ばす。

私は黄金の粒で出来た翼をはためかせてエボルトを追い、レバーを回し必殺技を溜めた。

「俺が人間にやられるなど……有り得ない！！」

『私が…！私達が！！みんなの明日を照らす光になる！！』

エボルトに必殺技をキックを食らわせエボルトをブラックホールの中へ吸い込ませて中で爆発が起こった。
それと同時にパンドラタワーが崩れてブラックホールに消えていく。

そしてブラックホールが閉じた。
エボルトが消滅した証拠だ。

その様子を見届けて、私は半壊している街に目を向けて手をかざす。
すると街に金色の雪が降った。

それに触れたビルや、道路が綺麗に元通りになる。

全て元に戻った。
エボルトが来たことなんて全部なかったかのように。