volume73 ~nqrse side~ ページ6
「嫌だｯ………諦め…たくないｯ！！」
だけどどんなに悩んでも結局俺はAを選ぶんだ
ごめん、ごめんねA
自分のためにAを諦めきれなくて
巻き込んでごめん
でも──、
「(あの可愛い笑顔も、好きって言葉も全部…俺にじゃないと嫌なんだ)」
ま「………それがなるせくんの…覚悟なんだね？」
「ｯ……ごめんまふくん、俺Aを諦めきれないｯ」
ま「うん、わかってるよ。…………だから僕の代わりにAちゃんの事ちゃーんと振り向かせてよね！」
「…は、え、でも…まふくんも好きなんじゃないの？」
悲しそうに笑う彼を目に思わず手が緩む
まるで僕はもう諦めたと言っているようで
ま「いい加減ケジメをつけたかったんだ。叶わない恋をし続けるほど僕は強くないし笑…僕よりもなるせくんの方がよっぽど適任なんだ」
「ちょっ、待ってよ意味わかんない、さっき言ってたことは嘘なわけ？散々煽っといて自分は身を引くのかよ」
ま「あーでもしないとなるせくん本音言わないじゃん！…でもこれでもしなるせくんが好きだって言わなかったら、本当に僕がAちゃんを貰ってたよ」
「はぁあ！？なんっだそれ！」
ま「怒んないでよ！酷いこと言ったのは謝るから！！………僕の好きの気持ちも全部なるせくんに託すよ、だから今言ったこと忘れないでよね」
「……何でそこまでしてくれんの？俺一応ライバルじゃん」
ま「なるせくんの為じゃない、全部Aちゃんの為だよ。僕と付き合ってもきっと…それはAちゃんの幸せとは違うから」
「そんなのわかんねぇじゃn「分かるよ」」
ま「何年一緒にいると思ってんのー？笑そんなの…誰よりも分かるよ」
「……………」
きっと同じだ
好きな人を諦めるのなんて辛いに決まってる
でもそれで幸せになるならって、そう思えるのは
「まふくんは本当に……Aが好きなんだね」
ま「………ｯ当たり前でしょ……泣かせたら許さないからねｯ」
「うん………絶対泣かせない、約束するよ」
男同士何やってんだろーななんて話しながら
まふくんと肩を並べて海を眺める
ありがとうなんて言わないけど
やっぱり彼には敵わないなって、そう思った
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作者名：M丸ちゃん | 作成日時：2024年2月15日 18時
