【歌い手】嫌よ嫌よも大好きのうち！？vol.3 (ページ3)

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volume70 ~まふまふ side~ ページ3

〜まふまふ side〜

静かな夜は不思議と色んなことを考えてしまう
小さく聞こえる波の音はきっと
今の僕の気持ちを表しているようで

n「まふくん、何してんの風邪ひくよ」

「……ちょっと考え事してた笑」

この気持ちを隠すことが出来ないのは
彼も一緒なんだと
捨てきれないその想いに
彼も気づいてしまったんだとそう思ったら

「余裕ないよね、本当にさ」

僕はどうしようも無く
胸が苦しくなるんだ。

n「……何の話？」

「分かってるのにその聞き方は酷いなぁ笑…なるせくんさ……Aちゃんの事どう思う？」

n「どうって…可愛いんじゃね？普通n「好きだよね？」……」

「好きでしょ？Aちゃんの事、違うの？」

n「ねぇまふくんどうしたの？急にさ」

「急じゃないよ、ずっと思ってた。なるせくんも僕と同じなんだろうなって」

n「………別にそんなんじゃ」

「僕さ、一目惚れだったんだよね。偶然歌を聴いてこれでもかってくらいドキドキして、誰にも取られたくないって思って僕から声をかけたんだ、一緒に歌いませんかって。顔も名前も好きな食べ物だって知らないのにさ笑」

そう、まだ活動し始めたばかりの彼女を
一番に見つけたのは僕で、初めてコラボしたのも僕
なのに──

「どうしても諦めきれなかった、負けたくなかった。たとえAちゃんに大好きな推しがいてそれが僕の知り合いであっても、僕の方が長く一緒にいるからいつかは振り向いてくれるかもって」

n「でもその好きはそういうのじゃないの、まふくんだって分かってるでしょ？」

「分かってるよ、今までだったら時間をかけてでも絶対振り向かせる自信があったでも…………今は違う」

n「まふくん…何が言いたいの？」

僕だって馬鹿じゃない
なるせくんがAちゃんを好きになった時点で
僕に勝ち目は…きっと無い
でも、だからと言ってこのまま譲るなんてのは嫌だ

「なるせくんはAちゃんが好きなの？それとも、ただの僕の勘違い？」

n「だから俺は別に」

「だったら、もうそういう態度とらないで？例えばこの前の夜みたいなこと」